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エプソムCの追い切りが9日、美浦トレセンで行われた。ヴィクトリアマイル5着のルージュバックは、Wコースで段階的に2頭を追いかける変則的な併せ馬を敢行。豪快に伸びて、サンケイスポーツ調教評価『S』をゲットした。万全の体調で、昨年のきさらぎ賞以来のVを狙う。
強まる雨にも、パフォーマンスが鈍ることはない。Wコースに登場したルージュバックが、ラスト1ハロン11秒9(4ハロン51秒0)で豪快にはじけ、改めて性能の高さをアピール。動きの良さに大竹調教師も穏やかな笑みを浮かべる。
「1回叩いて反応が良くなっている。脂肪がのりやすくなっているので今回は意識的に絞っていくイメージで調整。体のラインもシャープになっている」
今回は「この馬とまともに併せられる馬はいない」ことから、2段階併せの変則追いを敢行した。ルーナディア(3歳未勝利)を10馬身以上先行させ、さらにストリートオベロン(500万下)を2馬身追走。直線では馬なりで内から並ぶ間もなくストリートをかわして2馬身の先着。ゴールした後も、ギアを緩めることなくもう1頭を追い上げ、1コーナーでは抜き去っていた。
ヴィクトリアマイル5着後は短期放牧を挟んで先週水曜に帰厩。検疫の都合で、いつもより帰厩が1日ずれたため週末追いは日曜、最終追いは木曜となったが、相変わらず抜群の動きだ。「まだ良くなる余地はあるが、必要以上に脚を振り上げることなく、いいフットワークだった」とトレーナーもうなずく。
夏のクラス編成で4歳馬は収得賞金が半分になり、ルージュバックも2700万円となった。このままでは秋の大舞台に立つことすらできない可能性があり、大竹師も「前走はマイルで流れも忙しかったが、1ハロン延びる今回は条件的にいい。賞金加算しておかないとね」とVを見据える。
2戦ぶりに手綱を取る戸崎騎手も「体がしっかりして力もつけている。そろそろ勝たせないといけない」と力を込める。
3年2カ月ぶりの復活Vを飾った先週のロゴタイプのように、ルージュバックも昨年のきさらぎ賞以来1年4カ月ぶりに勝利の味を思い出す。(板津雄志)
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