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さあ、ダービーウイークの始まりだ。競馬の祭典、日本ダービーが26日、東京競馬場で行われる。2021年に生産された7906頭の頂点に立つのはどの馬か。最有力候補、無敗の皐月賞馬ジャスティンミラノに騎乗する戸崎圭太騎手(43)=美浦・田島厩舎所属=に、三浦凪沙記者(26)がインタビュー。ダービーに懸ける思いや亡くなった藤岡康太さんとの絆を明かした。
なぎさ 皐月賞は強い競馬でしたね。
戸崎 初めての右回りやペースへの対応、4つのコーナー、ゲートの出方など、いろいろな条件をクリアしてくれて、強い内容だったと思います。
なぎさ 調教は藤岡康太さんがつけていました。レース後、「最後の差(クビ)は康太が後押ししてくれた」と話され、心を打たれました。
戸崎 康太とはジャスティンミラノのことで近づきました。僕から聞いたわけではなく、康太のほうから言ってきてくれました。人柄の良さですよね。僕の中の勝手な思いですが、康太と一緒に戦えると思っていて、とても心強いです。きっと応援してくれているだろうし、勝てば喜んでくれると思います。
なぎさ 初めてコンビを組んだ共同通信杯での印象はいかがでしたか。
戸崎 パドック(の騎乗)が初めてでしたが、またがった瞬間にいい馬だなと感じました。厩務員さんが引っ張られるくらいの勢いで、すごくパワーを感じましたね。
なぎさ 強みはどんなところですか。
戸崎 操縦性の高さはレースでの不安材料が減りますし、フットワークの柔らかさやバネはいいものを持っていると思います。それに加えてパワーも兼ね備えているので、バランスよくレベルが高いです。
なぎさ 伸びしろは。
戸崎 まだ体の緩さはあるので、そういう部分では伸びしろがあると思います。
なぎさ 舞台はいかがですか。
戸崎 距離に関しては全く心配していません。皐月賞より条件はいいと思っています。ゆったりとしたフットワークなので、広いコースのほうがいいですね。
なぎさ 大井時代(2013年に中央移籍)に東京ダービーを4勝。やはりダービーと名のつくレースは特別ですか。
戸崎 以前はダービーも数あるGⅠのひとつという捉え方でしたが、(10年7着の)トゥザグローリーで初めて日本ダービーに挑戦したときにレースの重みを感じましたし、勝ちたい気持ちが強く湧いたのは(18年の)エポカドーロで2着に入ったときでした。ワグネリアンで勝った(福永)祐一さんが涙を流されていて、ファンや関係者の祝福もものすごくて。ダービーに毎年乗りたい、自分が勝ったらどんな景色がみられるのだろうという気持ちがこみ上げてきました。
なぎさ 最後に意気込みをお願いします。
戸崎 たくさんの人から応援していただいて、ダービーとはすごく大きなものだと改めて感じています。ジャスティンミラノはその期待に応えられるような馬ですし、あとは僕が結果を出すだけなので、強い気持ちで臨みたいと思っています。勝てば康太と2人でダービージョッキーになれると思っているので、頑張ります。応援よろしくお願いします!
■戸崎圭太(とさき・けいた) 1980(昭和55)年7月8日生まれ、43歳。栃木県出身。98年4月に大井競馬で騎手デビュー。トップジョッキーとして君臨し、2008-12年に勝利数全国首位。13年にJRAに移籍。14年から3年連続で全国リーディングを獲得。JRA通算1492勝で重賞はGI12勝を含む73勝。
藤岡康太さん4月に死去
レース中の落馬事故の影響で4月10日に亡くなった藤岡康太さん(享年35)は、ジャスティンミラノの調教を幾度となくつけていた。皐月賞でも2、1週前に騎乗。戸崎騎手に事細かく状態などを伝えていた。藤岡さんはJRA通算803勝、重賞はGⅠ2勝を含む22勝。ダービーは3度騎乗して2013年のペプチドアマゾン4着が最高。