今週から秋競馬が始まる。阪神競馬場の日曜メインはサマースプリントシリーズの最終戦、産経賞セントウルＳ（ＧⅡ、芝１２００メートル）だ。スプリンターズＳ（１０月１日、中山、ＧⅠ、芝１２００メートル）を見据えた実力馬が集結。３月の高松宮記念では７着に敗れたアグリが、ここで始動する。４月には短距離の強豪が集う香港に遠征。経験を生かし、改めてＧⅠ制覇への第一歩を踏み出す。

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強敵にもまれた経験を生かして、飛躍の秋へと突き進みたい。香港ＧⅠ・チェアマンズスプリントプライズ５着以来となるアグリが、産経賞セントウルＳに登場。臼井晃調教助手が柔和な笑顔で近況を伝えた。

「春にタフな２戦をして疲れもあったと思うのですが、牧場がうまくケアをしてくれて、すごくいい状態です」


昨夏から４連勝でＧⅢ阪急杯をＶ。短距離界の新星に名乗りを上げた。勢いに乗って臨んだＧⅠ高松宮記念は好位からレースを運び、直線では抜群の手応え。だが、勝ち馬に接触する不利に不良馬場も加わって７着に終わった。その後は「秋はスプリンターズＳを目指すために速い流れを経験させたい」と相手が強力なことを承知の上で香港に遠征。５着に敗れたものの「今回につながれば」と前向きにとらえている。

帰国後はリフレッシュ放牧を経て、８月１０日から栗東坂路で時計を出し始めた。同３１日の１週前には坂路で４ハロン５０秒９－１１秒９の好時計をマーク。「１週前にしっかりやって、体が締まってきました。ぶざまな競馬はしない仕上がりかなと思います」と胸を張る。

阪神は５戦３勝、３着２回と好相性。１４００～１６００メートルばかりで１２００メートルは初めてだが、高松宮記念や香港の内容を見ても対応できることは疑いない。「坂を苦にしないので（阪神は）合っていると思います。週末の雨予報が気になりますが、ぐちゃぐちゃの馬場にならなければ」と期待している。

アグリと同じく今春に香港遠征を経験したプログノーシスは、札幌記念でＧⅠ馬３頭を含む豪華メンバーを倒して重賞Ｖ。アグリも世界の強敵と戦った経験を生かし、秋初戦で進化した姿を披露する。（増本隆一朗）

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