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菊花賞担当の大阪サンスポ・渡部陽之助記者(36)は連載4日目、セントライト記念の覇者キタサンブラックに注目した。今年、重賞2勝でクラシックに“皆勤”の実力馬。母の父がスプリンターズS連覇のサクラバクシンオーだが、陣営は長距離への対策をしっかりと練っている。
午後2時。キタサンブラックの枠順が〔2〕枠(4)番に決まった。18頭立てになった1987年以降で3勝を挙げ、連対率・179とともに2位タイという好枠だ。投票所で清水久調教師を直撃すると、「内枠が欲しいと思っていたし、申し分ないんじゃないですか。ロスなく内を回りたい」と絶好枠に笑みを浮かべていた。
秋初戦となった前走のセントライト記念は仕上がり途上。「デキとしては100にほど遠い」とトレーナーが語る状態でVを飾った。最終追い切りに騎乗した黒岩騎手(実戦は北村宏騎手)は「1度使って、ガラッと変わりましたね。上積みがあるのは間違いないし、状態は言うことないですよ」と話しており、デキに関しては申し分ない。
そして、最も気になるのが血統。母の父サクラバクシンオーはスプリンターズS連覇の短距離馬だけに、3000メートルはどうか…。しかし、黒岩騎手は「血統を知らずに乗ったら、手脚が長くてゆったり走るし、何よりも折り合いがつくのがいい。戦える材料はそろっていますよ」と前向きな答えが返ってきた。
もちろん菊花賞を意識して、中間はハードトレーニングを課してきた。坂路からCWコースを1周半、あるいは1周1800メートルあるCWコースを2周半と意欲的に長めの距離を乗り込んできた。「それでもへこたれていませんね」と辻田厩務員は目を見張る。「春に比べて体に幅が出てきて、背中の筋肉がついてきた。体力がある分、しっかり食べていますね」。馬房でカイバをモリモリ食べる姿は頼もしかった。血統だけで評価を落とすと痛い目にあうかも…。
勝てば、国民的歌手の北島三郎オーナーが表彰式で代表曲「まつり」を歌うと公言している。レース当日、淀のターフで歓喜の歌声が聴けるかもしれない。
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