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【ドバイ(UAE)26日=板津雄志】メイダン競馬場でドバイ国際諸競走が行われた。日本から3頭が挑戦した8Rシーマクラシック(GI、芝2410メートル)は9頭立てで行われ、昨年の2冠馬ドゥラメンテ(美・堀、牡4)の2着が最高だった。しかし、7Rターフ(GI、芝1800メートル)でリアルスティール(栗・矢作、牡4)が悲願のGI制覇を果たした他、4RのUAEダービー(GII、ダ1900メートル)ではラニ(栗・松永幹、牡3)が日本馬として初勝利を挙げた。
昨年のクラシック2冠を制した日本のエース、ドゥラメンテは、2着に終わった。
「すごくいい競馬をしてくれたけど、蹄鉄がなかったので、最後に馬が疲れてしまった。それでいて、このパフォーマンスをしてくれた。よく頑張ったと思う」
ミルコ・デムーロ騎手はパートナーの健闘をたたえた。
名手の言う通り、レース直前にアクシデントに襲われた。まさかの右前落鉄。蹄鉄を打ち替えることなく、レースに臨んだ。7番手から徐々に進出。先に抜け出した昨年の“キングジョージ”優勝馬ポストポンドに追いすがったが、力尽きた。
骨折による9カ月の休養明けだった前走の中山記念でV。18キロ増の502キロという馬体に加え、道中の折り合い面でも進境を見せた。今回は現地に到着した当初、初めての海外輸送や環境の違いでナーバスになったというが、陣営の想像以上に早く適応。ビッグイベントらしいお祭りのような騒々しさの中にあっても、テンションが高くなることはなかった。ドゥラメンテの未完成だったピースは、少しずつ埋められている。
今後の予定は不明だが、オーナー側が以前からほのめかしていた凱旋門賞(10月2日、仏シャンティー、GI、芝2400メートル)への挑戦が実現すれば、その予行演習にはなった。落鉄さえしなければ…。ドゥラメンテにとって、この敗戦は必ず“次”に生きるはずだ。