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GⅠ出走馬の気になる点を取材する「俺のチェックポイント」。天皇賞・秋の2日目は東京サンスポの板津雄志記者が、ノースブリッジの岩田康騎手に直撃した。栗東から美浦に駆けつけて、熱心に調教をつける〝職人〟に、初めての中2週での手応えを聞いた。
全休日明けの火曜朝、美浦坂路に向かうノースブリッジの背に岩田康騎手の姿があった。追い切り日に栗東所属のジョッキーが美浦まで駆けつけることはよくあるが、その前日の調教もつけるケースは珍しい。4ハロン63秒6で登坂してから南Bコース(ダート)を周回。初めての中2週になるが、気配は良さそうだ。本人の感触と意気込みも聞きたいところ。タイミングを見計らって直撃した。
「前々回とも前回ともまた違う感じでレースに向かえる。確実に階段を上っている」
春のエプソムCで重賞初制覇を飾ったが、当時より走るフォームがガラッと良くなったという。後肢に力がついたことで「春までは走り(の推進力)が上に向かっていたが、前走から前に行くようになった」と明かす。
前走の毎日王冠5着の内容にも大きな意味を感じている。出負けして後方の競馬になりながら、直線で密集馬群を割りながら差を詰めた走りに「同様の形になった以前(昨秋のウェルカムS12着)は最後に脚を使えなかった。それが前走はいいフォームで伸びられた」と収穫があった。
タイトなローテにはなるが、「エプソムCが『3』とすれば、前走が『8』。今回は『9か10』くらいまでいっている。乗っていて怖いくらいのバネを感じる」とさらなる上積みも強調。熱心に調教から向き合う〝職人〟の言葉だからこそ強く響く。
今回は昨年の日本ダービー馬シャフリヤールや強力な3歳勢などが相手で、鞍上は「大きなことは言えない」と前置きした。だが、それ以上に「これからGⅠのメンバーと対戦しなければならないし、その器になってほしい馬。この一戦でもっと成長できる。今どれだけ戦えるか楽しみ」と期待感を抱く。
覚醒の4歳秋。名手がほれ込むノースブリッジのGⅠ初挑戦を応援したくなってきた。