秋のＧＩ開幕を告げるスプリンターズＳ（１０月４日、中山、芝１２００メートル）には現役屈指のスピード自慢が集結した。激しい先行争いが予想されるが、セントウルＳを逃げ切ったアクティブミノルは今回も先手を譲らない構え。１２００メートルは３戦全勝で、成長が著しい３歳馬がＧＩの舞台でも大仕事をやってのける。

　大舞台でも波乱を起こしにいく。１０番人気だったセントウルＳを逃げ切ったアクティブミノルが、好気配を漂わせている。全休日明けでテンションが高い馬が多い中、力むことなく栗東坂路を登坂。動きを見届けた北出調教師は目を細めた。

　「前走後も落ち着きがあっていい状態。春は１度使うと不必要に燃えるところがあった。そこが違いやね」

　アッと驚く逃走劇で、ダークホースに急浮上した。流れが向いたとはいえ、ＧＩ馬ストレイトガールなどの古馬の強豪を撃破した価値は大きい。加えて１２００メートルは３戦全勝。改めて高いスプリント適性を示した。

　ひと夏を越えて気性面が成長。春はレース後だけでなく、追い切り後もイライラしていたが、だいぶ我慢がきくようになった。中村助手は「前走後は体重が増えて、４８０キロ（前走時４７６キロ）ある。こんなことは春にはなかった。以前もカイバは食べていたけど、イライラして消耗してしまっていた」と証言。今はカイバが血肉になっており、この伸びしろが古馬勢にはない３歳馬の強みだ。

　前回は２番手に控えた同型のハクサンムーンが、今回はハナを主張する構え。それでも、北出師は「スタートはうちの方が速い。同型との枠の兼ね合いもあるけど、ハナにこだわる」と譲る気はない。

　２００７年のアストンマーチャン以来８年ぶりの３歳馬Ｖへ。怖いもの知らずのアクティブミノルが、再び番狂わせを演じても不思議はない。　（川端亮平）

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