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第78回菊花賞(22日、京都11R、GI、3歳オープン国際(指)、セン馬不可、馬齢、芝・外3000メートル、1着本賞金1億1500万円 =出走18頭)クラシック最終戦は、1番人気のキセキが極悪馬場をものともせずに力強い末脚を繰り出してGI初勝利。ミルコ・デムーロ騎手(38)=栗・フリー=は、外国人騎手として史上初の牡馬クラシック3冠全制覇を達成した。タイム3分18秒9(不良)。2着は10番人気のクリンチャー、3着は13番人気のポポカテペトルが入った。
台風接近により、横殴りの暴風雨に見舞われた古都のターフで、菊花賞史上5番目に長い3分18秒9の物語が上演された。主演を務めたキセキとM・デムーロ騎手は泥まみれ。殊勲の鞍上は白い息を弾ませながら胸を張った。
「こんな天気と馬場ですごく大変だった。でも、素晴らしい馬で、すごく能力があるから、ずっと自信があった。外を回ったから4000メートルくらい走ったね(笑)」
芝コースは水が浮き、菊花賞史上3回目の不良馬場。レース前後には災害情報エリアメールのアラームが鳴り響くほどの悪条件でも主演コンビは冷静だった。「3000メートルは少し不安だったので馬の気持ちを大事にした」。ゆっくりゲートを出て、緩い流れの道中は中団後方で折り合いに専念。2周目の3コーナー過ぎから下り坂を利用してエンジンを徐々にふかして最後の直線は大外へ。必死にもがくライバル勢を尻目に力強くストライドを伸ばし、2着に2馬身差をつける快勝でラスト1冠を奪取した。
鞍上にとっては、5度目の挑戦で初めてつかんだ菊のタイトル。外国人騎手として初めてクラシック3冠制覇を成し遂げた。また、この日はタフな条件だった9、10、11Rを3連勝と勝負強さを発揮。「とてもうれしいです。いい馬に乗せてもらっているからね」と痛快な“ミルコ劇場”に笑みが絶えなかった。
菊花賞3勝目を挙げた角居調教師の喜びもひとしおだ。産駒の重賞初勝利となった父ルーラーシップを管理していただけでなく、母ブリッツフィナーレも角居厩舎からデビュー予定だった(未出走)。「名血のルーラーシップは国内でGIを勝てなかったけど、その子供で結果を出せてよかった。ルーラーシップにお礼をいいたい。こんな天気の中で奇跡のような競馬ができたことを感謝したい」と目を細めた。
今後は未定ながら、父は香港GIクイーンエリザベス2世Cを制覇した。加えて、泥んこ馬場をこなしたことで世界制覇への期待も高まる。M・デムーロ騎手は「きれいな馬場で2000メートルくらいが一番いいと思う。きょうは奇跡と思います」とジャッジしたが、キセキがこれから描く物語は、壮大な“軌跡”になりそうだ。 (川端亮平)
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