マイルＣＳ（１８日、京都、ＧＩ、芝１６００メートル）の追い切りが１４日、東西のトレセンで行われた。美浦では堀厩舎勢３頭が好調教を披露。春の安田記念を勝ったストロングリターンは手応えよくフィニッシュしてサンスポ調教評価「Ｓ」を獲得。栗東ではグランプリボスが坂路でハードトレを敢行。併せ馬で遅れはしたが、力強い動きを見せた。マイルＣＳは１６日に枠順が確定、１７日から馬券発売される。

　史上６頭目となる古馬マイルＧＩ春秋連覇へ、態勢は整った。安田記念馬ストロングリターンが美浦Ｗコースの３頭併せで余力を残しての併入フィニッシュ。納得の最終追い切りに、堀宣行調教師も満足げな表情を浮かべた。

　「気のいい馬で輸送も控えているので馬なりでしたが、３頭でいい併せ馬になりました」

　豪華競演は、ファイナルフォーム、リアルインパクト、ストロングリターンの順に３馬身間隔で進んだ。行く気を我慢させ、力をため込むように進んだストロングは直線で最内へ。鞍上の手が動く僚馬２頭とは対照的にガッチリ手綱を押さえたままで並びかけ、５ハロン６４秒６（１ハロン１２秒８）の好タイムをマークした。

　指揮官は会見で、中間の短期放牧から帰厩までの間に裂蹄を発症したことを明かしたが、最終的には「いいフィジカル状態で臨める」とジャッジ。動きからも不安は少しも感じられない。

　安田記念以来となった前走は７着。ＧＩ馬として迎えた初戦としては物足りなく映ったが、「展開がばらけて仕掛けどころが難しかった」とトレーナーは力負けでないことを強調。斤量１キロ減、１ハロンの距離短縮、久々をひと叩きされた上積みを考えれば、十分に巻き返せる。

　舞台となる京都は、２００９年５月の葵Ｓ４着以来。それでも堀師は「コースレイアウトとしては特に向くと感じている。以前からマイルＣＳが、一番能力（末脚の爆発力）を出せる舞台と思っていた」とキッパリ。春の王者ストロングリターンが、秋も京都で王座に君臨する。　（板津雄志）

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