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第56回有馬記念(25日、中山10R、GI、3歳以上オープン、芝2500メートル、1着本賞金2億円=出走13頭)(有)サンデーレーシングの吉田俊介代表(37)は、複雑な気持ちが交差する中、ゴールの瞬間をしっかりと脳裏に焼き付けた。オルフェーヴルの驚愕の強さにゴール後、我にかえってから足が小刻みに震えているのを知ったという。
「1頭だけ見ているわけにはいきませんでしたから。全体を俯瞰するというか…」。当然だろう。3冠馬ほかブエナビスタを含め4頭のクラブ所属馬がいたのだから。そしてオルフェーヴルについてこう口を開いた。「これまでのように安心して見てはいられませんでした。それは先生(池江寿師)、池添騎手の“最も厳しい競馬だった”の感想からも分かります。それにしても3コーナーから4コーナーの行きっぷりは圧巻でしたね」。さあ、来年は凱旋門賞挑戦という大目標が待っている。
「万全で臨めるよう、来春をどうするか。すべてはそれに合わせローテは組まれ、調整されることになると思います」
一方、女傑にも思いを馳せ、「クラブの功労馬。ひと言で表せば『えらい馬』です」と労をねぎらった。
オルフェーヴルが生まれ育った牧場側も万感の思いだ。白老ファームを統括している角田修男社台スタリオン獣医師(59)は「心肺機能が恐ろしく優れている。この辺は父親譲り。パーフェクトに近い馬でしょう」と絶賛、目を細めた。母オリエンタルアートのお腹には来春出産予定のステイゴールドの命が息づいている。