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筆者の世代だと、ラジオNIKKEI賞というとどうしても「残念ダービー」というワードが頭に浮かびます。
このレースは1952年に「中山4歳ステークス」として創設され、レース名が「ラジオたんぱ賞」となった1979年から福島を舞台とするレースに変更、さらに2006年に「ラジオNIKKEI賞」の現名称に変わっています。筆者が競馬を始めた1990年代は「ラジオたんぱ賞」だったのですが、この頃も「残念ダービー」とよく言われていました。調べてみたところ、1955年から1967年まで、出走条件に「除東京優駿競走の勝馬」とあり、これが「残念ダービー」と言われる理由だったようです。
さて、いくつかのメディアで今年のこのレースにおける上位人気馬候補として、サトノシュトラーセの名前を挙げているものを見かけました。この馬は「残念ダービー」のイメージに相応しい1頭ではないでしょうか。2歳時に京都2歳Sで3着があり、前走の青葉賞は4着。勝ち馬シュガークンとは0秒2差でした。さぞ悔しかったであろう関係者のその想いをよそに、今回の当コーナーのターゲットはサトノシュトラーセに定めることとしました。
サトノシュトラーセを管理するのは、友道康夫調教師。現在、全国リーディング4位ですが、関西の厩舎ということもあり、あまり福島で管理馬が活躍しているイメージはありません。そこで近年における友道康夫厩舎の福島での戦績を調べてみました。
今年は春の福島開催では5頭が出走し、2着が一度ありましたが未勝利でした。
昨年は10回出走して、3着が一度ありましたが未勝利でした。
2022年は14回出走して、2着が5回ありましたが未勝利でした。
2021年は5回出走して2勝。最後に福島で勝ったのは2021年11月14日(日)の福島6Rに組まれた1勝クラスのレースです。
友道康夫厩舎は、福島では2年以上も勝っておらず、21年以降の勝率は5.8%。
まあ、福島で勝ったことがない訳ではありませんし、数多くのG1馬を管理している厩舎ですから、久しぶりの勝利が重賞競走でも全く不思議はありませんが、それでもこんなデータを見てしまうと、なんだか不安になってはきませんでしょうか。
サトノシュトラーセですが、2月に小倉であすなろ賞を勝った時までは、2~4番手のポジションでレースを進めていました。それが、2走前の毎日杯(6着)と青葉賞では馬群の後方からレースをするようになっているという点も、少々気になる部分です。今回もM.デムーロ騎手が騎乗しますので、ロングスパートからマクり気味の競馬をするのかもしれませんが、開幕週の福島でその戦法が果たしてハマるでしょうか。一応、真面目にこうした不安材料も最後につけ添えておきます。
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