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当企画のコンセプトにつきましては、コチラにてご確認ください。今週も“勝ち逃げ馬券師”新良武志氏に、注目の乗り替わりをピックアップしてもらいます。
※データは2017年以降の結果をもとに集計
編集部(以下、編) 今週はG1こそお休みですが、東西で大注目のG2が行われます。
新良(以下、新) 毎日王冠と京都大賞典。このレース名を聞くと、いよいよ秋のG1シリーズに本格突入するなぁという気がしまね。
編 今年もG1戴冠をもくろむ好メンバーが集まりました。
新 先々を占う意味でも、両レースとも見逃せないですね。
編 言うまでもなく、そのうえで馬券を獲るのが理想的です。どちらのレースをメインの狙い目に取り上げますか?
新 ファンの注目度が高いのは毎日王冠のほうでしょうが、乗り替わり馬券という観点からは、京都大賞典のほうに食指が動きます。
編 ズバリ、狙い目を教えてください。
新 中井裕二騎手から松山弘平騎手に乗り替わる⑬ロードマイウェイです。
編 これはまた、思いきったところを狙ってきましたね。ただ、鞍上強化は一目瞭然という気もします。
新 ご指摘の通り、誰の目にも明らかな鞍上強化で、パフォーマンスアップは確実だと思います。もちろん、リーディング順位の差だけではなく、ほかにも推奨根拠は揃っていますが。
編 その推し材料をぜひ知りたいですね。
新 まずは、ロードマイウェイがノーザンファーム生産馬ではないという点です。
編 ん? 松山騎手との関係を考えれば、ノーザンファーム生産馬のほうが期待できると思いますが……。
新 その通り、松山騎手はノーザンファームから重用されていますので、勝ち負けが見込める有力馬がいれば声がかかるはずです。しかも、今週はルメール、川田、福永のトップ3が毎日王冠に騎乗するため阪神にはいません。事実上の最上位騎手といっていいでしょう。
編 にもかかわらず、ノーザンファームの馬に乗っていないということは、勝負度合いの高い馬がいないと考えられると?
新 ご名答です。私はそうみています。だから、意外にもロードマイウェイに乗ることになったんじゃないですかね。
編 じつは手薄なメンバー構成で、ならば松山騎手を配してきたこの馬にもチャンスがあると評価したわけですね。
新 その通りです。前走の関越Sは13番人気7着と字面の成績はパッとしませんが、舞台となった新潟芝1800mで2017年以降勝ち星のない中井騎手騎乗かつ、59キロでコンマ5秒差ということを考えれば、それほど悪くない内容だったと思います。
編 松山騎手にスイッチすることで、一変する可能性もあると。
新 あるでしょうね。今回は56キロで出走できますから。
編 ほかにもプラス要素はありますか?
新 今年は阪神で行われるというのがいいですね。この馬は過去に阪神芝でリステッドと重賞を勝っていて、5着以下に敗れたこともG1大阪杯の一度しかありません。
編 なるほど。阪神での安定感は抜群ですね。
新 東京芝でも2勝していますので、直線が長く、坂を最後までバテずに走りきることが求めらるコース形態が得意なんでしょう。坂を2回越える必要のある阪神芝2400mは、この馬にとってベストに近い舞台と考えられます。
編 変わり身に期待できる要素がさらに増えましたね。
新 松山騎手は週中に大井の交流重賞を連勝して、乗りに乗っています。この勢いで中央も、という気持ちは当然あるでしょう。
編 それでも人気はありませんので、馬券に絡めば高配当に期待できます。
新 ヒモの1頭に加えることは必須ですし、私はアタマに据えた馬券も買おうと思っています。一発決めてほしいですね。
★その他の注目乗り替わり★
阪神9R ⑨シルバーエース(鮫島克駿→幸英明)
新潟11R ⑨ロジーナ(福永祐一→菅原明良)
東京11R ①シュネルマイスター(横山武史→ルメール)
【プロフィール】
新良武志(しんら・たけし)
かつてはどこにでもいる競馬ファンの1人だったが、データベースソフト【TARGET】との出合いを経て、眠っていた馬券師としての素質が開花。騎手・種牡馬にウマニティU指数を組み合わせた独自のデータ活用術を考案し、常勝スタイルを確立させる。2015年秋にメディアデビュー。雑誌、WEBを中心に精力的に予想家活動を行っている。著書に『毎日コツコツ勝ち逃げリーマン馬券術』(ベストセラーズ)、『ジョッキー未来予測2019』(秀和システム)。
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