秋競馬が開幕する中山の日曜メーン・京成杯ＡＨで、ファイアーフロートが重賞初挑戦Ｖを目指す。７カ月ぶりの前走は８番人気ながら逃げ切り勝ち。今年２月の落馬で頸椎（けいつい）を骨折し、７月に復帰した津村明秀騎手（２４）＝美・フリー＝が再びコンビを組む。中山マイルは逃げ・先行狙いが基本。開幕週の絶好馬場で、ファイアー＆津村が勝利に向かって飛ばすぜ！

　頸椎骨折から復帰した津村明秀騎手が、ファイアーフロートとのコンビで復活の重賞Ｖを狙う。

　ファイアーは、前走の長岡Ｓは骨折から７カ月の休養明けで８番人気の低評価。しかし、持ち味のスピードを生かした逃げで勝利を勝ち取った。

　「正直、久々で本調子ではなかった。それでもあれだけの走りをしてくれたから、今回はもっと楽しみですよ」

　重賞初挑戦にも津村の期待は高まる一方だ。上積みに加え、開幕週で前が止まらない馬場も追い風だ。勝てば小笠倫弘調教師のＪＲＡ重賞初勝利となる。「折り合いさえつけばハナにこだわらないけど、開幕週の馬場は味方になると思います。他に行きそうな馬もいなし、条件的にはベストですね」と、ジョッキーの頭には逃げ切るイメージが描かれている。

　津村は今年２月２０日の東京競馬５Ｒで落馬し、第２頸椎骨折の重傷を負った。長期入院とリハビリを経て７月３日の福島競馬で復帰すると、夏競馬終了の先週までに６勝。中でもメーンレースの好騎乗が目立つ。７月３１日の新潟日報賞はキングストリートで勝ち、長岡Ｓをファイアーフロートで、札幌のしらかばＳをクリールパッションでＶ。ＮＳＴ賞、阿武隈Ｓ、レパードＳでは２着に健闘した。

　「勝ちきれないレースも多いですけど、いいところで乗せてもらっていると思います」

　怪我から復帰し、再び馬に乗れる喜びを感じると同時に、結果も残してきた。今週は土曜メーン・紫苑Ｓでも「この相手でもそうヒケを取らないと思う」と話すランダムトークに、来週は札幌のエルムＳでクリールパッションに騎乗予定だ。

　「今のマイル路線は飛び抜けた馬がいないし、ここでいい競馬ができればマイルＣＳも楽しみになりますね」と話すファイアーフロートとのコンビで再度メーンハンターぶりを見せつけるか。津村騎手が秋競馬をさらに面白くしてくれそうだ。（柴田章利）

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