2014年以降の1～3着馬延べ30頭の馬齢を確認すると、下は3歳、上は7歳までとなっている。まずは、7歳以下の馬を重視したいところだ。また、近年の北九州記念において目立つのが前回から体重減となった馬の不振で、2014年以降の優勝馬は1頭だけ。対照的に前回から体重増の馬は、8勝、2着5回、3着9回と1～3着馬の大半を占めている。ただし、増えていればなんでもいいというわけではなく、10キロ以上の増加馬が勝利を収めたケースはゼロ。要は暑さに負けることなく、適度に体重を増やしてきた馬が強いということだ。北九州記念の舞台となる小倉芝1200mは、最初のコーナーまで約480mとじゅうぶんな距離があるにもかかわらず、序盤からポジション争いが激化しやすい。ゆえに、前半のラップ次第では待機組にとっても不足のない展開になる。（各種データ、原稿は本年のレース発走前のものとなります）

【人気】
堅く決着した年もあるにはあるが、平均配当はいずれの券種も高水準で、かなりの荒れ模様。というのも、人気馬がまったくあてにならないからだ。2014年以降、1番人気は未勝利であり、同様に2～3番人気も【2.2.2.14】という体たらく。その一方、中穴ゾーンの6～9番人気は5勝を挙げ、2桁人気の馬券（3着以内）絡みも6頭を数える。高配当を狙うべきレースであることは間違いない。

【脚質】
脚質は展開に左右される面が大きい。別表の脚質別成績を検証すると、勝率、連対率、複勝率は先行が首位だが、差しの単勝回収率と複勝回収率も非常に優秀だ。こうした傾向を踏まえると、「差し×先行」の決着パターンを主体に馬券を組み立てるのが、ベターなのかもしれない。いずれにせよ、展開はもちろん、枠順の並びなどから各馬の位置取りを見極めるのが先決だろう。

【枠順】
枠順については、「小回り芝の多頭数」というイメージとは異なり、内外での成績差はほとんど見当たらない。別表の枠順別成績を確認すると、勝率と連対率こそ2枠が最上位だが、次点にあたる8枠が単勝回収率と複勝回収率の面では2枠を大きく上回っている。また、複勝率1位は6枠、単勝回収率トップは1枠、複勝回収率首位は4枠と、各部門のトップが分散されているように、枠順による有利不利についてはあまり考慮しなくていい。これが分析して得たひとつの結論である。

【血統】
施行距離が芝1200mへと短縮された2006年以降は、サクラバクシンオーが種牡馬として最多となる4勝を記録。同種牡馬は母の父としても2021年2着ファストフォースを出すほか、2017年2着ナリタスターワンが14番人気、2018年3着ラブカンプーが7番人気（いずれも父ショウナンカンプ）といった具合に直系の孫世代も人気薄で好走するなど、その存在感をおおいに示している。ほか、デインヒルやStorm Catの血脈を持つ馬も人気不問で上位を賑わせており、2022年においては両血脈を保持するボンボヤージが18頭中16番人気、単勝164.3倍のオッズを付けて勝利する大波乱を演出した（小倉芝1200mのコース全般における種牡馬別成績は下記のとおり）。