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中京2週目の日曜メーンはダートのGIIIプロキオンステークス(1400メートル)。前走のアハルテケSで約1年9カ月ぶりの勝利をあげたダノンカモンが、重賞初制覇を狙う。オープン特別5勝の実力馬だが、これまで重賞は2着6回。悲願達成へ、陣営も気合十分だ。
“オープン特別大将”の7歳馬ダノンカモンに、重賞初制覇の最大のチャンスが巡ってきた。担当の音瀬調教助手の言葉にも力が入る。
「1週前追い切り(6月26日、栗東CW6ハロン85秒6、ラスト1ハロン12秒9)は申し分ない動き。重賞をひとつ勝たせてあげたいですね」
一時は不振に陥ったが、再び上昇気流に乗っている。前走のアハルテケSは4番手から残り200メートルで鋭く抜け出し、2011年9月のエニフS以来、約1年9カ月ぶりに勝利をマーク。同助手は「最後は遊んでいて2着とは半馬身差でしたが、力が衰えてないことを再確認できました」と笑顔で振り返る。
好位から抜け出す戦法で実績を積んできたものの、先頭に立つと気を抜いてしまう癖があるため、今年はじめは中団で脚をためて差す競馬を試みた。ところが、GIII根岸Sは不利もあって9着、終始外めを通ったGIフェブラリーSは8着と振るわなかった。そこで、2走前から本来のスタイルに戻すと、交流GIIIかきつばた記念2着、前走Vと再浮上を果たした。
音瀬助手は「まだ(抜け出すと走るのを)やめる癖はありますが、今回は重賞になるので力のある馬と最後まで競り合う形になれば。左回りの1400メートルという条件もいい」と勝利へのイメージをふくらませる。
オープン特別を5勝しながら、重賞は18戦未勝利。6回の2着の中にはトランセンドと頭差の勝負をした一昨年のGIマイルチャンピオンシップ南部杯(東京)もあり、力上位は間違いない。手が届きそうで届かなかったタイトルを、今度こそつかみ取る。
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★コーヨーは11勝 元祖“オープン大将”
ダノンカモンは、いちょうS(東京芝1600メートル)、ペルセウスS(東京ダ1400メートル)、大和S(京都ダ1400メートル)、エニフS(阪神ダ1400メートル)、アハルテケS(東京ダ1600メートル)とオープン特別を5勝しているにもかかわらず、重賞をなかなか勝てない。
こういったタイプはいつの時代にもいるもので、古いところではコーヨー(1968年生まれ、牡、父スパニッシュイクスプレス)が有名。重賞は流感の影響によって72年4月に福島で行われた金杯の1勝。ほかにオープン特別を2勝。当時はローカル以外ではオープン特別はほとんどなく、一般戦(俗に言う平場のオープン)ばかりでこれを9勝もし、“オープン大将”と呼ばれた。