宝塚記念に出走するアルナスライン、カンパニーなどが栗東トレセンで追い切りを行った。天皇賞・春２着のアルナスは坂路４ハロン５３秒７、終い１３秒３で力強い動きを見せ、態勢を整えた。午後には枠順が確定し、アルナスは５枠７番、カンパニーは８枠１４番、１番人気確実のディープスカイは７枠１１番に決まった。馬券の発売は土曜日から。

確定枠順へ

　真夏のように太陽が照りつける栗東トレセンで、天皇賞２着のアルナスラインが坂路で最終追い切りを行った。

　単走でスムーズにスタートすると、５５０キロ台の大型馬らしく力強い掻き込みでグングン登坂する。鞍上の手の動きが活発になるにつれてスピードアップ。途中で左右にヨレる場面もあったが、すぐに修正され、４ハロン５３秒７、ラスト１ハロン１３秒３でまとめた。

　追い切りをつけた田代調教助手は「先週に蛯名騎手が乗って、気持ちがピリッとして体も良くなった。状態は前走の天皇賞以上」と明快だ。動きを確認していた松元茂調教師は「まぁこんなもんやろ。これ以上やるとスイッチが入ってしまうわ」と、納得するように頷いた。

　２走前の日経賞で初めてチークピーシズ（集中力を高める効果のある馬具）を着用して重賞初制覇を飾ったが、前走は「長距離戦で集中しすぎても困る」（松元茂師）との判断で外した。結果は落鉄の不運もあり、直線では内にもたれて惜敗した。距離短縮の今回は再びチークＰの着用を決め、１週前も今週も追い切りでも着用した。

　枠はちょうど真ん中の５枠７番。田代助手は「どこでもいい」と言いながらも、「マイネルキッツは最内か…」と、前走クビ差で敗れた相手を意識している。トレーナーは「距離も直線も短くなるし、阪神コースは３コーナーから動く馬も目立つから、置かれないように。チークと引き締まった体で積極的に競馬を運べれば…」。さらに、「今度は運を味方につけたいね」と微笑む。

　人事を尽くし、万全の態勢に仕上げた陣営は、勝利の女神の祝福を願っている。

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