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ロゴタイプで安田記念を勝つことができました。初めて騎乗したのは中山記念(7着)で、休み明けでした。当時は、何となく物足りないと感じるところがありました。でも、次のダービー卿CT(2着)ではガラリと変わってくれました。
いい手応えを感じてGIに臨みましたが、さすがに相手も強いので、厳しい戦いは覚悟。そのなかで力を出し切って勝つ可能性を探っていました。そのひとつが逃げることでした。前2走でも“行く馬がいなければ行っても”と、陣営とは話をしていました。今回は前2走より少し主張したぶん、思い切りました。
しかも、今回は人気がありませんでした。ほぼノーマーク状態になるだろうと思ったんです。見ていただいた通り、一番良いポジションで、一番リラックスして走っていたのがロゴタイプでした。直線の坂を登ったところで、後続との距離が縮まらないとわかり、勝てると思いました。
作戦がうまくいったと言われますが、それも馬が頑張ってくれたからです。そして何より、田中剛先生や厩舎サイドが、力を信じて、良いときも結果が出ないときにも、できることを頑張り続けたからこそ、今回があるのです。
僕は3度目の騎乗でしたが、ロゴタイプにとっては約3年2カ月ぶりの待望の勝利だったのです。頑張ってきた人たちのために、勝てて良かったと思える瞬間でした。(JRA騎手)