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高松宮記念(3月25日、中京、GI、芝1200メートル)のステップとなる阪急杯の追い切りが22日、東西トレセンで行われた。昨年の覇者で阪神芝1400メートルを得意としているサンカルロは、美浦の坂路でしまい重点にシャープな伸びを見せた。余裕のある動きで久々でも態勢は整っている。
余裕を持った走りに、好気配がにじみ出ていた。史上初の阪急杯連覇を狙うサンカルロが、美浦坂路を軽快に駆け上がり、順調な仕上がりをアピールだ。
いつものように大久保洋厩舎流の坂路3本の調教。83秒0、61秒4と2本の脚慣らしをして、最後の3本目へ。ゆったりしたスタートから先行するメジロサンノウ(牡4、障害未勝利)を追いかけ、外に並びかける。グングン加速していくが騎乗した吉田豊騎手の手綱は動かないまま。最後は余裕で併入してフィニッシュ。4ハロン55秒2は平凡に見えるが、3ハロン37秒0、ラスト1ハロン11秒7と抜群の反応だった。
「ここ2週が時計を出しているし、今週は相手に合わせる感じ。楽に走っていたし、いい状態だと思います」
ジョッキーが好感触に笑顔を見せた。前走の阪神Cの前は4ハロン53秒9の時計を出していたが、それ以外で55秒台はこの馬にはいつもの時計。数字を気にする必要はない。吉田豊騎手は「阪神Cの前は馬がうなるような走りでしたね。今回は久々のぶん、フワフワしているけど、太ったりするタイプではないので、仕上げやすいんですよ」と、2カ月半ぶりのレースでも不安の色はまったく見せなかった。
今回の舞台、阪神芝1400メートルは、すべて阪急杯と阪神Cで5戦して2勝2着1回、3着1回。もっとも得意としているコースだ。ジョッキーは「関東圏に右回りの1400メートルがないからね。サンカルロにはもっとも条件が合っているし、道中いい位置でついていければ」と阪急杯連覇だけでなく、暮れの阪神Cと阪神芝1400メートル重賞3連勝を狙っていた。
もちろん大目標は高松宮記念。大久保洋調教師は「1400メートルにしてくれればいいんだけど」と冗談を言いながらも、「新しい中京競馬場は直線が長くなったぶん、この馬に合っているかもしれない」と悲願のGIに色気十分。まずは得意舞台の阪急杯を制し、昨年2着に惜敗した高松宮記念に弾みをつける。(柴田章利)