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東京サンスポの三浦凪沙記者が、チャンピオンズCの気になる馬を探る「私のチェックポイント」。注目したのは、昨年の皐月賞でイクイノックスを破って優勝したジオグリフだ。気掛かりなメンタル面やダート適性など、復活への可能性を掘り下げた。
追い切り日に注目したのはジオグリフです。何といっても、快進撃を続けるイクイノックスに勝ったことのある2頭のうちの1頭。昨年の皐月賞で先に抜け出した僚馬を力強く差し切って優勝しました。
ただ、その後は7連敗中…。特に前走の南部杯(9着)は、勝負どころで気持ちが切れてしまったように映りました。果たしてメンタル面は戻っているのか。動きをチェックしました。
追い切りは、美浦Wコースでレッドヴェロシティ(3勝)をリードする形でスタート。一杯に追われた僚馬に対し、5ハロン68秒5―12秒2で馬なりのまま悠々と1馬身先着しました。何より、気合を前面に出したフットワークで、走ることに対しての前向きさを感じられたのは収穫でした。
木村調教師は「ブレーキをかけるまでアグレッシブに走り切るということを馬に提案してみました。狙い通りにいけたと思います」と納得の表情。「根本的な健康状態をなかなかいい方向に持ってくることができませんでした」と前走を振り返ったうえで、「本来の彼の良さ、体の中から出てくる健康さが帰ってきてくれている」と状態にも太鼓判を押しました。
あとは、3戦して未勝利のダートへの適性がどうなのか。ビュイック騎手は「香港C(6着)のあと、調教師からダートでの適性を問われました。父(ドレフォン)がダート血統なので、試してみる価値はあると思いました」と当時を振り返ります。砂挑戦にいいイメージを持っている鞍上に戻るのはプラスでしょう。指揮官も「適性があると思っていますし、ダメだと決めつけるのは、自分の中では危険だと思っています」と可能性を感じています。
会見中にトレーナーが口にした、「ジオグリフはこんなもんではないと。何とか彼自身のプライドを復権させたい」という言葉には心を打たれました。世界ランク1位に土をつけた実力馬。最終的な評価をどうするのか、ギリギリまで悩みたいと思います。(三浦凪沙)