競馬ニュース > 記事
函館2歳Sは、JRAで年間通して最も早く組まれる2歳限定重賞。新馬、未勝利から臨戦するキャリアの浅い馬同士の一戦なので能力比較が難しい。
そのうえ、今週は土曜に降雨の予報もあり、難解さに拍車がかかる。昨年も小雨の降るなかの開催で、新馬戦でダートを使い、現在もダート路線で頑張っているオマツリオトコが3着に走った。
純粋なスプリント能力の高い馬だけでなく、ダートからステップする馬、また、前走芝でもダートっぽい血統といったタイプにもチャンスはありそう。過去10年分のデータを使用し、勝ち馬を見極めたい。
逃げた馬の成績は【2-1-0-7】。内訳は昨年のクリダーム3人気2着、2019年ビアンフェ4人気1着、2014年アクティブミノル4人気1着。
馬券内へ粘った馬はいずれも人気サイドで、好走馬のその後を追うと、クリダームは苦戦気味ながら、ビアンフェとアクティブミノルは重賞で好走している。
例年前走で逃げて勝ち切った馬が集い、前がかりになりやすい組み合わせになる。そのため、直線の短い平坦のスプリント戦とはいえ、スピードだけで押し切るのは容易ではない。
反対に、既に控える競馬で結果を出している馬は、同じ1戦、2戦のキャリアでも、経験値が高いとみてよさそう。
函館芝1200mのスタートは、向こう正面のポケットにあり、3コーナーまでは約500m、緩やかな上りでの先行争い。
坂を上りながらでも速い流れになりやすく、良馬場開催の8年中6度は、前半3ハロン33秒台が刻まれている。
最後の直線は262mしかないものの、前半厳しいラップになるため、前述したとおり逃げ切るのは至難の技。
前後半3ハロンには大きな差が出ている。
2022年 34.5-37.3(-2.8)
2021年 33.7-36.2(-2.5)
2020年 33.5-36.3(-2.8)
2019年 33.6-35.6(-2.0)
2018年 33.9-35.5(-1.6)
2017年 34.5-35.5(-1.0)
2016年 33.5-35.7(-2.2)
2015年 34.1-36.5(-2.4)
2014年 34.1-36.1(-2.0)
2013年 33.7-35.9(-2.2)
※15年と22年は稍重。それ以外の年は良。
前後半に2.0秒以上差のある年が8年と、毎年消耗戦になっている。今年も例年同様、逃げて臨戦する馬が複数いて、レースの性格的にも前に優しい流れになるとはなかなか考えにくい。
また、前走の逃げた馬のなかで最もテンの1ハロンが速かったロータスワンドと、次点のスカイキャンバンスが内で並ぶ形となった。
前半33秒だと、全馬にとって未知の流れになるため、このあたりの判断もまた難しいが、前哨戦で前傾度合いの強いレースを、楽な感じで勝った馬を狙いたい。
◎ロータスワンド。前走は今回と同じ函館芝1200mの新馬戦。大外枠から好発を決め、テン1ハロン12.1、3ハロン34.6。前後半1.0秒差のある前傾ラップを踏み、直線はやや2着馬に詰め寄られたものの、まだ奥がありそう。お兄さんのビアンフェ、お姉さんのブランボヌールも函館2歳Sの勝ち馬と血統背景も申し分ない。
○ベルパッション
控えていい脚を使ったとなればこの馬。出遅れから、道中は4番手の追走、4角ではやや窮屈な位置にいたが、外に出されてからの伸び脚は目立った。産駒的に雨が降っても良さそうだし、五分に発馬を決め流れに乗れれば。
馬券は◎と○の馬連・ワイド。◎○から1.5.8.10.15への3連複。
(文・垣本大樹)