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第11回ジャパンダートダービー(8日、交流GI、定量、ダ2000メートル、1着賞金5000万円=出走13頭)岩田康誠騎乗の4番人気テスタマッタが、直線に向くと馬場の真ん中から力強く抜け出して、2番人気のシルクメビウスに2馬身差の完勝。重賞初挑戦でいきなりGI制覇を成し遂げた。タイム2分4秒5(稍重)。管理する村山明調教師は昨秋の厩舎開業以来、重賞初VがGIの快挙だ。1番人気のスーニは直線を向いて力尽き中央勢では最下位の6着に大敗した。
4番人気の伏兵テスタマッタが、瞬発力を駆使して3歳ダート王に輝いた。ラスト100メートルでグイッと抜けた所で勝利を確信した岩田康騎手は、ゴール手前から左手でパートナーの首筋を何度も撫でる余裕の勝ちっぷり。2着シルクメビウスにつけた2馬身の着差以上の強い内容で、重賞初挑戦でGI制覇だ。
「ホンマ、ラッキーやわ!!」。洗面台で顔の泥を落としながら喜びを口にした岩田は、昨年のスマートファルコン(2着)に次ぐ2度目の騎乗でJDD初制覇。テスタに乗るのは2戦目のエリカ賞以来だったが、その時は道中掛かり通しで4着。「掛かる面があるから折り合いに専念せんと…」とレースに臨んだ。
ペースが遅く、1コーナーまで掛かる素振りを見せていたが、向こう正面に入ると落ちついた。「馬も自信をつけたのかじっと我慢してくれて、直線で前が開いたら自分からスーッと動いて思った以上の瞬発力を見せてくれた」。会心の騎乗に岩田の表情が緩む。
村山明調教師は昨年9月に厩舎を開業。騎手時代の2000年、第1回JCダートにサンフォードシチーで挑み2着だったが、トレーナーとなり初の重賞がGI制覇。厩舎初勝利もテスタマッタだった。「去年7月にノーザンファームで研修した時に2週間一緒に過ごした馬なんです。折り合えれば走るのはわかっていた。短い距離で折り合うことを覚えさせてから長い距離を使った方がいいと助言してくれた四位騎手にも感謝です」と喜びに浸る。
ダートは無敗3連勝のテスタマッタ。今後はリフレッシュ放牧を経て、武蔵野S(11月7日、東京、GIII、ダ1600メートル)→JCダート(12月6日、阪神、GI、ダ1800メートル)が有力。一線級の古馬相手にどんな戦いを見せてくれるのか楽しみだ。(片岡良典)
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