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3強を形成した皐月賞でアンライバルドよりも人気を集めたリーチザクラウンは消化不良のレース内容で13着、ロジユニヴァースは絶好の位置を進みながら14着と、ともに大敗した。それでも2頭はまったく力を発揮していない点が救いといえる。巻き返しへ両陣営は必死だ。
最終登録馬へ
ダービーまであと1週間と迫ったオークスデーの朝、ロジユニヴァースは中谷騎手を背に美浦坂路で4ハロン52秒4-38秒3-12秒5を馬なりでマークした。並の馬にはけっこうな時計でも、ロジにとっては軽い脚慣らし。ケロッと涼しい顔で引きあげてきた。「ここまで順調にきています。落ち着きがあって雰囲気もいいです」という萩原調教師のコメントは額面通り受け取ってよさそうだ。
皐月賞でのロジユニヴァースの敗因をみつけるのは難しい。4戦無敗で断然の1.7倍の支持を集めたロジユニヴァースは絶好位を進んだが、4角で手応えをなくして14着に惨敗した。10キロの馬体減り、弥生賞よりも5秒近くも速い1分58秒7の決着、前つぶれの厳しい展開。どれも敗因らしきものでしかない。横山典弘騎手にとってもまさかの敗戦。「あんなに負ける馬なのか?!」と報道陣に逆に質問をぶつけた。勝てば馬のおかげで負ければ自分のせい、という姿勢を貫くジョッキーが力を出せずに終わったロジに疑問を抱き続けている。
逆の見方をすれば、力負けではなかったということでもある。「素質はある。挽回したい」というジョッキーの言葉を総意に、2冠目のダービーでの巻き返しに関係者は全力を注いできた。
放牧先の宮城県山元トレセンからは8日に帰厩。長めからの追い切りには連続で横山典騎手が乗っている。13日に南Wで6ハロン79秒7、20日は南Wで6ハロン80秒7。先週の調教の手応えも芳しくはなかったが、「どこが悪いというわけではないけれど、いい頃に比べると…」と物足りなさを口にしながらも、「このひと追いで高まってくれれば-」とジョッキーは変わり身に希望をつないだ。
水曜はこの中間の調教の成果のすべてが問われる最終追い切り。その素質の高さを信じて横山典騎手はロジユニヴァースにまたがる。(阿部裕昭)
★発奮に期待
デビュー4連勝で挑んだ皐月賞で14着に敗れたロジユニヴァース。大敗から2冠目を奪取した例としては、1969年ダイシンボルガードが皐月賞14着、86年ダイナガリバーは10着だった。2ケタ着順から優勝するのは容易ではないが、クラシックホースを輩出するラジオNIKKEI杯&弥生賞を無敗で制しているロジの雪辱、発奮に期待だ。