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サマースプリントシリーズ最終戦、セントウルSの追い切りが8日、栗東トレセンで行われた。アイビスSD2着のネロは、坂路で4ハロン48秒7の一番時計をマーク。サンケイスポーツ調教評価で最高ランクの『S』を獲得した。快速馬が万全の態勢を整え、今度こそ重賞初Vを決める。
タイトル奪取への思いは、どの馬にも負けない。重賞初制覇を目指すネロが、暗闇の坂路を全力で駆け上がった。4ハロン48秒7は、今週の一番時計。ラスト1ハロンも12秒5でまとめ、追走したヨシオ(1000万下)を直線で楽々と抜き去り3馬身先着だ。
「もう、この馬はこれくらいの時計が出ても驚かなくなりましたね」
清永助手があきれるほどの“調教王”は、8月31日にも同48秒4を出しており、夏の疲れもなく相変わらず健在。「時計は速いし、とてもいい併せ馬ができました。状態面に不安はありませんね」と同助手のトーンは高まるばかりだ。
前走のアイビスSDはベルカントにアタマ差の2着。「非常に悔しいけれど、大外枠で力を出し切った競馬。相手が一枚上でした」と清永助手は振り返る。その後は短期放牧に出て、リフレッシュ。秋の再始動に向け、態勢を整えてきた。
最近の森厩舎は、調教でしっかりと速い時計を出し、馬を鍛える方針。時には耐えられない馬も出てくるが、ネロの場合は全くへこたれないという。
実際に2歳8月にデビューし5歳9月のこれまで、最も長い休みが3歳時の4カ月間。丈夫な体に加え「精神面で成長し、レースでコントロールできるようになりました」と清永助手。心身ともに完成した今なら、重賞に手が届くはずで「スピードはありますから。この馬の競馬をしてどこまでやれるか」と続けた。
このレースは阪神で行われた過去9回、1番人気が全敗。人気どころより前で競馬をした馬が波乱を演出してきた。そんな過去の傾向も踏まえれば、絶好調のネロが前々から押し切るシーンが浮かんでくる。 (下村静史)
★セントウルSの枠順こちら 調教タイムも掲載
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