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平安Sの追い切りが18日、東西トレセンで行われた。昨年のJCダート3着馬エスポワールシチーは、CWコースを素軽い動きで駆け抜けて、ラスト1ハロン11秒5の好タイム。GI5勝馬が、その力を見せつける態勢を整えた。同じくCWコースで追われたタガノロックオンも、スムーズな動きを披露。松田博調教師は仕上がりに満足の様子だった。
GI5勝馬エスポワールシチーが、格の違いをアピールする圧巻のリハーサル。手綱からビシビシ伝わる手応えに、佐藤哲騎手は頬を緩めた。
「だんだん動ける体になっているし、時計もよかった。JCダートのときもよかったけど、今はやらなくても動いてくれるからね」
前日17日の調教で落鉄した坂路を避けて、CWコースでの最終追い切り。軽やかな脚さばきでスピードアップすると、直線では体をグッと沈ませて脚を伸ばした。6ハロン82秒8で、鞍上のムチが入らず、ラスト1ハロン11秒5の好タイム。安達調教師も「ノメらずに、しっかり走れていた。いい形で臨めそうですね」と満足の表情でうなずいた。
10年11月の米国遠征(BCクラシック10着)後に調子を崩し、昨年は本来の姿を取り戻すために、必死にあがいた。勝負にこだわりながらも、体のバランスやフォームの修正を重視。昨年の最優秀ダートホース、トランセンドが制したJCダートは3着に敗れたが、得たものは多かった。
佐藤哲は「目一杯で走って、最後もバタッとならなかった。GIIIだと楽をして走ってしまうけど、本来は目一杯になってから、がんばれる馬。追い切りでもそういうところが見られるようになった」と覚醒ぶりを強調。トレーナーも「うるさい面が出てきた。もともとそういう馬だし、一時期は大人しくなって心配だったからね」と、好調を裏付ける仕草に目を細める。
左前脚のねんざで昨年末の東京大賞典は回避したが、その不安はない。7歳馬だけに、むしろ十分な休養を取れたメリットの方が大きかった。
京都ダートは3戦2勝2着1回と連対率10割で、安達師は「京都は実績があるので、何とかしたい。いい形でフェブラリーSにつなげたい」と力を込める。ここをキッチリと勝ち、トランセンドと再戦する大一番に向かう。 (川端亮平)