競馬ニュース > 記事
今週の凱旋門賞(10月2日、GI、シャンティイ、芝2400メートル)から海外の大レースの馬券発売がスタート。同じ競馬でも欧州と日本では相違点が多い。JRAではあり得ないペースメーカーの存在など、欧州競馬の仕組みや常識をマスターして、凱旋門賞の馬券攻略に挑みたい。凱旋門賞の模様はフジテレビ系で生中継される。
★馬番と枠順
日本では馬番と枠順が同じなのに対し、海外では馬番は「1」で枠順は「5」など、異なる国が多い。凱旋門賞が行われるフランスでも異なり、馬券を買う場合は馬番が対象になるので注意したい。
枠順確定後、本紙の馬柱では、上段に馬番を●(=■1)と四角囲みの白抜き数字で示し、枠順はその下にと黒抜きの四角囲み数字でゲート番と表記して掲載する。マカヒキを買う場合、馬番が●(=■10)でゲート番が●(=□3)だとすれば、●(=■10)が馬券の対象。馬の並べ方についてはレース中にゼッケンと馬柱を照合しやすいように、●(=■1)から馬番順に掲載する。
なお、フランスの馬番は負担重量の重い順に●(=■1)から並び、定量戦の凱旋門賞の場合は、4歳以上の牡馬、同牝馬、3歳牡馬、同牝馬の順。同じ性齢のなかでは、馬主名のアルファベット(個人名では姓)順となる。
フルゲート(出走可能頭数)が異なる点も注意事項。現在、日本のフルゲートは最多で18頭だが、凱旋門賞は20頭。このほか、馬券が発売される可能性がある豪州のメルボルンC(11月1日)は24頭なので、総流しする場合などは目数に気を付けたい。
★ペースメーカー
海外、特に欧州競馬では勝負を度外視したペースメーカー、あるいはラビットと称される馬の出走が珍しくない。
同馬主、同厩舎の有力馬を有利にするために前に行ってペースをコントロール(ハイペースとは限らない)するのが役割だが、ライバル馬に力をスムーズに発揮させないような走り方をするケースもしばしばある。フランスでは単勝のみ別々に馬券が発売されてオッズ表示も異なるが、最終的には馬券上は1頭扱いされて同一オッズになる。ペースメーカーとして公式発表されるわけではないが、主催者がファンへの迷惑を極力防ぐための措置だ。
日本ではこの制度がないので、勝敗を度外視して出走するペースメーカーも馬券の対象になる。本紙では判断できる限り、ペースメーカーを読者に伝える方針で、今年の凱旋門賞の出走予定馬ではヴェデヴァニがそうだ。厩舎は違うが、2頭の馬主、アガカーン殿下がハーザンドのペースメーカーとして出走させる。
ただ、ポストポンドが勝った2戦前の英GIコロネーションCでは同陣営がペースメーカーとして送り込んだ格下の馬が3着に粘り、2001年の英GIクイーンエリザベス2世Sではペースメーカーのサモナーが逃げ切るなど、好走するケースもある。
-
(退会ユーザー)
-
キムタケ