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1週間の密着取材で勝ち馬を探し出すGI企画は3日目。美浦トレセンに移動した東京サンスポの板津雄志記者(36)は関東馬の最終追い切りをチェックし、Wコースの併せ馬で1馬身先着したロワジャルダンに注目。昨秋のみやこSを勝ち、チャンピオンズCでも4着に好走した実力馬について、戸田調教師に直撃した。
関東馬で何頭か追い切りを見たい馬がいたので、早々と火曜に栗東を引き揚げた。深夜、美浦の寮に着くなり、手違いで予約したはずの部屋がなかったのには焦ったが、寮母さんの優しく寛大な対応で何とか乗り切れた。
17日に追い切られた5頭でオッと目をひいたのがWコースのロワジャルダン。道中で5、6馬身先行したエルインペレイター(障害未勝利)を4コーナーで射程圏に入れ、直線で内へ。軽く仕掛けられると、力強いうえに流れるような走りで僚馬を1馬身引き離した。5ハロン67秒0、3ハロン38秒5-12秒7の時計も優秀だ。
「無理しないで時計、動きは良かったし、楽にしまいも反応できていた。いい状態でいける」
気配の良さに戸田調教師が満足げに語る。完成するのはもう少し先と言ってきたが、「ここにきてグッと良化。想像以上のスピードで成長している。今回併せた相手も調教ではメチャクチャ動く馬なんだよ。体に実が入って動きも変わってきた。昔はWコースであんなに軽く動ける馬じゃなかったから、他のコースで追い切ることが多かったんだけどね」と驚く。
確かに、昨秋まで南Dコース(ダート)やPコースも多用していたが、今年から追い切りはタフなWコース1本で入念に鍛えられてきた。GIだけに中途半端な調教はできないと、中間は4日に5ハロン67秒4、11日に同65秒2、そして今週と中身の濃いメニューを消化。それでいて「体重が減らないし、それくらい体調面がいい」のだから体力アップは明らかだ。
前走の東海Sは、当日の乗り替わりや展開面での不運があっての3着で悲観する結果ではない。何より「去年とは数段違うし、チャンピオンズC(4着)より上かもしれない」と指揮官が胸を張るデキなら、一発があっても不思議はない。 (板津雄志)