競馬ニュース > 記事
当企画のコンセプトにつきましては、コチラにてご確認ください。今週も“勝ち逃げ馬券師”新良武志氏に、注目の乗り替わりをピックアップしてもらいます。
※データは2020年以降の結果をもとに集計
編集部(以下、編) 今週は2場開催ですが、新潟でアイビスSD、札幌でクイーンSと、2つの重賞が行われます。
新良(以下、新) この夏は新潟も札幌も初めての重賞なので、現地は盛り上がるでしょうね。
編 そう思います。そして、ただ盛り上がるだけではなく、馬券も当てられたら言うことなしです。
新 おっしゃる通りですね。乗り替わり予想に関しては、両者ともに狙ってみたい候補がいて、どちらをメインターゲットにするか悩みました。
編 もう、どちらかに決めたわけですよね?
新 はい。クイーンSのほうを取り上げます。ここ3年は乗り替わりが3連勝といい流れで来ていますので、もう一丁に期待してみたいなと。
編 わかりました。では、導き出した結論を教えていただけますか?
新 松岡正海騎手から横山武史騎手に乗り替わる②ウインピクシスを狙います。
編 いかにも鞍上強化という印象ですね。ただ、松岡騎手はウインとの関係は良好なので、その点だけは気になりますが……。
新 おそらく、松岡騎手はアイビスSDに出走するトキメキに騎乗することを優先したんでしょう。だから、松岡騎手が降ろされたわけではないと思います。
編 なるほど。戦略的な乗り替わりではないということですね。
新 ただ、起用されたのが横山武騎手となれば、がぜんテンションが上がります。この乗り替わりは、馬にとって大きな前進を生むでしょうから。
編 横山武騎手はウインピクシスに一度跨って、2着になっていますね。その経験が活きるということでしょうか?
新 それもあります。ほかにも、推奨根拠が満載なんですよ。
編 詳しく教えてください。
新 大注目は札幌芝1800mにおける成績ですね。コース勝率は37.8%というとんでもない数字。勝利数の17は、2位の吉田隼人騎手に9勝差をつけてぶっちぎりのトップ。そのうえ、146%という高い単勝回収率をマークしているんです。
編 まさに圧倒的ですね。
新 このコースでは、ルメール騎手よりも断然信頼できます。松岡騎手には悪いですが、陣営や馬にとってはラッキーな乗り替わりになったといえるでしょう。
編 単なる鞍上強化ではなく、スーパー鞍上強化と表現しても……。
新 いいんじゃないですかね。ウイン×横山武騎手といえば、グレイテスト、イクシード、マリリンで重賞3勝を挙げている相性の良い組み合わせ。馬主別に見ると、キャロットに次ぐ好成績です。
編 ピンチヒッターとしては、この上ない存在ですね。
新 横山武騎手にとっても、願ったり叶ったりの乗り替わりなのではないでしょうか。関東ではルメール騎手に次いでノーザンファームのセカンドジョッキーのポジションを確固たるものにしていますが、このレースではノーザンの有力馬とコンビを組むことは叶いませんでした。
編 そんななか、相性抜群のウインの馬に乗れることになったんですから、悲観する必要はないという感じですかね。
新 はい。ウインピクシスはここ2戦、重賞の壁にぶつかっていますが、3走前の小倉の重馬場での走りを見るに、力の要る洋芝は合いそうな印象です。千八は得意ですし、ガラッと変わっても不思議はないとみています。
編 人気的にはかなり面白い狙い目になりそうです。
新 オープンでもやれる能力を持った馬だと思うので、横山武騎手の腕で上位にもってきてもらいましょう!
★その他の注目乗り替わり★
札幌9R ⑪ライリッズ(戸崎圭太→ルメール)
新潟9R ⑬ミシシッピテソーロ(柴田大知→川田将雅)
新潟11R ⑭スティクス(藤田菜七子→坂井瑠星)
【プロフィール】
新良武志(しんら・たけし)
かつてはどこにでもいる競馬ファンの1人だったが、データベースソフト【TARGET】との出合いを経て、眠っていた馬券師としての素質が開花。騎手・種牡馬にウマニティU指数を組み合わせた独自のデータ活用術を考案し、常勝スタイルを確立させる。2015年秋にメディアデビュー。雑誌、WEBを中心に精力的に予想家活動を行っている。著書に『毎日コツコツ勝ち逃げリーマン馬券術』(ベストセラーズ)、『ジョッキー未来予測2019』(秀和システム)。