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好評のGI連載企画『東西現場記者走る』。菊花賞を担当する新鋭・千葉智春記者(32)は20日、実績上位で人気の一角をなすサトノダイヤモンドを取り上げた。最終追い切りで万全の仕上がりをアピールしたが、3000メートルの適性には一抹の不安も感じる。距離克服への糸口を探るべく、陣営を直撃した。
連載4日目の栗東は時折、日差しがきつく感じるほどの好天。半袖シャツを着て木曜追い組をチェックしつつ、サトノダイヤモンドを追跡した。春2冠で好走し、神戸新聞杯も完勝。マークは外せない有力馬だ。
急仕上げの前走を叩き、前日の追い切りも全身を使ったフットワークで楽に半馬身先着。「状態は100%」(ルメール騎手)、「動きは素晴らしかった」(池江調教師)という声からも、デキは万全とみていい。20日も厩舎周りを60分、引き運動で体をほぐし、臨戦態勢に入っている。
ただ、菊花賞はスタミナも重要というのが記者の認識。「ベストの距離ではない」という池江師の言葉に加え、母の父が1200メートルの仏GI馬という血統も気がかりだ。ルメール騎手は「リラックスして臨めれば」と話していたが…。落ち着き具合を確認しに厩舎へ行き、担当の中澤助手に次々と質問をぶつけた。
「追い切った後も雰囲気はいいし、いつも通りおとなしい」。前走は道中で力んでいたが、折り合いを欠いたわけではなく「パドックで発汗していたし、休み明けで気負っていた」ことが原因。さらに「皐月賞でも返し馬はひどかったが、ダービーでは問題なかった」と同助手は休み明けを叩けば変わる愛馬の特徴を強調する。前哨戦でガス抜きした今回は、落ち着いて力を出せそうだ。
3000メートルを走るうえで工夫したことはないそうだが「体は絞れてシェイプアップ。無駄な肉が取れて筋肉も浮き上がっている」と言うように、馬自身が長距離を走ることを分かっているような体形に仕上がっている。
午後に決まった枠順は〔2〕枠(3)番。「こだわりはなかったけど、内めは有利。3000メートルは初めてだし、あとは折り合いだけ」と川合助手は歓迎していた。ただ…。折り合いに気を使うことで乗り方が限られるのではないか、と個人的には思う。ペースによっては、実績面で見劣る馬たちにも付け入る隙がありそうだ。結論まであと2日、枠順や展開も踏まえつつ、頭を悩ませたい。
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