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1週間の密着取材で勝ち馬を探るGI連載『東西現場記者走る』。チャンピオンズCは、大阪サンスポの山口大輝記者(27)が担当する。4日目は今春のドバイワールドCで4着に入った米国の実力馬パヴェルをチェック。2003年に前身のジャパンCダートを制したフリートストリートダンサーにも携わったモラ調教師に、手応えを聞いた。
前夜に栗東から名古屋に入り、この日は中京競馬場へ。眠い目をこすりながらでも見ておきたかったのは、パヴェルだ。外国馬が苦戦しがちな日本のダートへの適性や馬自身の状態など、気になることはたくさんある。
まずは馬をチェックだ。ダートコースを1周半。キャンターでは、馬なりながらもスピード感あふれる走りを見せた。前脚のさばきもなめらかで、さすがGI馬といった印象。朝日に照らされた馬体も迫力がある。
「きのうは(中京の)ダートを確かめて、きょうはよく分かっている感じだった。動きについては満足しています」
モラ調教師の口ぶりからも自信がうかがえた。続けて「輸送に強くて旅好きの馬。スタッフも『いい状態』と言ってくれています」。調整はすこぶる順調なようだ。
前身のジャパンCダートを含めて、外国馬のVは2003年のフリートストリートダンサーのみという厳しいデータがある。ただ、同馬を管理していたのはオニール調教師で、実はパヴェルも前走までオニール厩舎の所属だった。これについてモラ調教師は「彼(オニール師)とはパートナーシップで厩舎運営をしている。担当馬が変わったようなものだ」と説明。もともと、転厩前から調整に携わっていたというわけだ。しかも、フリートストリートダンサーについても「100%関わっていた」。このレースの“Vノウハウ”を継承していることを、胸を張ってアピールしていた。
レースのイメージに関しては「自分が前に出てレースを動かすのは“プランB”。できれば中団前めの3~5番手で追走する“プランA”で行きたい」。ハイペースが基本の米国競馬で鳴らすこの馬が展開の鍵を握りそうだ。ただ、〔2〕枠(3)番の枠順については、「ゲートがあまり速くない。真ん中から外めがいい」と話していた指揮官にとって残念な結果だろう。
「勝つ気十分で来ています」との言葉にオッと思ったが、「3、4着でも好走してくれれば満足です」と続けたあたり、100%の自信ではないという本音も感じた。金曜は美浦トレセンに移って、さらに取材を進めたい。(山口大輝)
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