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26日に行われたドバイ国際諸競走のひとつで、日本馬3頭が挑んだUAEダービー(ダ1900メートル)は、武豊騎乗のラニ(栗・松永幹、牡3)が制した。
スタート直後につまずいてしまったが、「そういう事態も想定していたから、慌てることはなかった」とはユタカの弁。その後も、日本の第一人者の経験値が勝利を手繰り寄せたと思える場面がいくつもあった。
向こう正面まではあえて馬群に取り付かずに追走し、レース全体のペースが緩んだタイミングで上位に進出。勝負どころではポーラーリバーの進路をきっちりと締め、同馬をラニの外へ行かせ、3/4馬身差の接戦をモノにした。ゴール前は残り200メートル付近で、ムチを右手から左手に持ち替えることで、ワンペースになりかけていたパートナーの末脚を再度引き出していた。
この勝利で米国のケンタッキーダービー(5月7日、チャーチルダウンズ、ダ2000メートル)の参戦が決まった。出走頭数が増え、相手も格段に強くなるが、ドバイでハードな調教をこなし、初の海外遠征で最高の結果を出したラニのタフな精神力はアメリカでも生きるはず。厳しいレースとなることは間違いないが、「スポーツでもっとも偉大な2分間」と形容される夢舞台にユタカは胸を躍らせている。
ラニはケンタッキー産馬で北米のリーディングサイアーのタピットを父にもつ。5月7日が今から待ち遠しくなるUAEダービーの結果だった。 (在仏競馬記者)
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