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先週2勝を挙げて春の福島リーディングに輝いた青木孝文厩舎。今週は勢いそのままGⅠ天皇賞・春にエンドロールを送り込む。4月1日に安房特別(2勝クラス)を勝ったばかりで格上挑戦になるが、青木調教師は「今年4戦目で上積みがグンとあるわけではないけど、いい状態をキープできています。相手は一気に強くなりますが、ここまで楽しくやってこられました。エンドロールがレースで力を出せるようにベストを尽くします」と気合が入っている。
エンドロールがGⅠ初挑戦なのはもちろんのこと、鞍上の永野猛蔵騎手も今回が記念すべきGⅠ初騎乗になる。「石川オーナーが『猛蔵くんが乗れるなら猛蔵くんで行きましょう』と言ってくださいました。継続騎乗は心強いですね。チームとして先につなぐためにも、猛蔵で行かないと意味がないので。今後のためにもいい経験をしてほしいです」とトレーナーはエールを送る。全3勝すべてで手綱を取っているとはいえ、まだ3年目の若手で重賞未勝利の永野騎手。今の時代は大舞台でトップジョッキーに乗り替わることも多々あるが、チーム・エンドロールは堅く結束している。
永野騎手の騎乗を快諾したという石川オーナーと青木厩舎には強いつながりがある。「開業から応援していただいていて、『いつかわれわれで大きいところを取りたい』とずっと言い続けてきました。その大きいところに今、一番近い馬がエンドロールなので、恩を返すためにも頑張りたいです」とトレーナーは意気込む。
実はオーナーとつながりがあるのは青木調教師だけではない。エンドロールの調教をつけている原田千秋調教助手は、自身が生まれる前からの付き合いだそう。「父が石川オーナーと牧場時代の同僚でした。オーナーの長男と同い年で、ずっと一緒に遊んでいましたね。馬主をやられているのは知っていましたが、まさか自分がいる厩舎に預けていて、自分が乗っているとは知りませんでした」。馬房についている「馬名札に書かれた馬主名でもしかして」と思い、トレーナーを通じて久しぶりに連絡を取った。このつながりを知った青木調教師は以後、積極的にエンドロールに原田助手を乗せるようになった。
「昔から知っているオーナーには恩返しできればと思っています。エンドロールは大人しくて、触られるのが大好きな子。相手は強いですが少しでも着順を上げていいところを見せてくれれば」
一頭の馬がレースに出るのにたくさんの人が携わっているというのも競馬の魅力のひとつ。不思議な縁を運んできたエンドロールは、まさしくそれを体現した馬だろう。それぞれが熱い思いを持ったチームエンドロール。天皇賞・春はもちろん、今後も要注目だ。
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