週末の中央競馬は師走開催に突入し、舞台は中山、阪神、中京へと替わる。日曜中京メインは、ダート王を決めるチャンピオンズカップ。注目は、ダートで６戦無敗と破竹の勢いを誇るアウォーディーだ。もう１頭の出走予定馬で、半弟のラニも管理する松永幹夫調教師（４９）は、騎手時代に２頭の母ヘヴンリーロマンスの主戦でもあった。一族を知り尽くす指揮官を直撃。その胸のうちを聞いた。　（取材構成・宇恵英志）

　－－ダートでは無傷の６連勝中

　「おそらく、今がこの馬にとっての一番いいとき。中央のＧＩを勝ちたいですね。左回りの１８００メートルは、いうことのない条件。手前の替え方がスムーズで、折り合いもつくんですよ。今度も相手は強いが、チャンスはあると思っています」

　－－前走の交流ＧＩ・ＪＢＣクラシックを快勝

　「２１００メートルの距離がよかったし、豊（武豊騎手）がうまく乗ってくれました。終始、外を回る形になりましたが、４コーナーでの手応えも良く、強かったですね。安心して見ることができました。一線級がそろったレースは初めてでしたが、ねじ伏せるように力で押し切ってくれました」

　－－この馬の長所は

　「いつも安定して一定の力を出してくれますし、競馬に行って注文がつかないところですね。乗りやすいところも、この馬の良さ。芝の血統と思っていたが、それ以上にダート適性があった。６連勝はなかなかできない芸当です」

　－－中間の気配は

　「この馬にしては反応が上々でした。あまり『いいとき』、『悪いとき』を感じさせないタイプの馬なんですがね。６歳ですし、もう成長とかはないと思いますけど、今の気配をキープしていければ、それでいいと思っています」

　－－１番人気が予想される。最後に抱負を

　「プレッシャーはあるでしょうね（笑）。ですが、気持ちとしてはチャレンジャーですよ。ＪＢＣクラシックは勝たせてもらいましたが、今回も相手は強いですし、まだ各馬との勝負付けが終わったとは思っていません。ただ、この馬の気を抜く癖などを把握してくれている豊が騎乗してくれるのは心強い。気を引き締めて臨みます」

★爆発力ならラニ！左回りは歓迎

　今年のＵＡＥダービーを制した半弟ラニも侮れない。「豊（武豊騎手）は『爆発力ならアウォーディーよりもある』と言っていました。難しい面はあるけど、能力はありますよ」と松永幹調教師。みやこＳは１３着だったが「右回りの忙しい競馬が合わなかったようで、３、４コーナーで走りがバラバラでした。左回りに替わるのはいいですし、最後まで気持ちが続けば」とメンタル面を鍵に挙げていた。

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