１週間の密着取材でＧＩの勝ち馬を探る好評連載『東西現場記者走る』。前２週に続く的中を狙ってマイルＣＳを担当する大阪サンスポの渡部陽之助記者（３９）は、枠順が決まった１６日、富士Ｓを制したロジクライ陣営を直撃。レースレコードで激走した反動はなさそうで、最高の状態で臨めるとみた。

　美浦トレセンで２日間の取材を終え、再び栗東トレセンに戻ってきた。過去１０年で最多の３勝を挙げている富士Ｓ組のなかでも、２馬身差で制したロジクライを取り上げないわけにはいかない。レースレコードの１分３１秒７で快勝したが、その反動はないのか？　この日は坂路で４ハロン６２秒２をマーク。気持ちよさそうに駆け上がる姿を見届けた後、担当の遠藤助手を直撃した。

　「ガタッと来るのを心配しましたが、またがった感じ、疲れはなかったですね。というか、さらに良くなっていると感じました」

　前走直後はプールと運動で調整。レースの６日後から乗り出し、抜群の回復力をみせていたようだ。事前発表馬体重も、前走比８キロ増の５２２キロでボリューム十分。「食欲旺盛で普段からバリバリ食べますよ。競馬当日に自分で体をつくるタイプだし、数字はこんなものでしょう」と納得の表情。体調は文句なさそうだ。

　２年前のシンザン記念を快勝後、骨折が判明して２年近く休養を余儀なくされた。だが、それもけがの功名か。「中京記念（２着）くらいからすごく筋肉がしっかりしてきて、体に厚みが増してきました。常歩（なみあし）のときも、単にいい馬と言うより、クッションの利いた高級車に乗っているような感じです」。成長力のあるハーツクライ産駒。今が充実期とみていいだろう。

　枠順は、過去３勝の〔４〕枠（７）番に決まった。全５勝中４勝を偶数枠で挙げているが、「内、外過ぎても嫌だったのでちょうどいいところですね。先入れでも中でじっとできるし、大丈夫ですよ」と同助手。こちらの小さな不安も一蹴してくれた。【２・１・０・１】と実績のある京都で、前走のようなパフォーマンスを再現できれば、ＧＩ初勝利の可能性は十分ありそうだ。

　いよいよ１８日は最終日。結論を出さなければならないが、本命候補が多くて、正直まだ迷っている。　（渡部陽之助）

★マイルＣＳの枠順はこちら　調教タイムも掲載

この記事はいかがでしたか？

 (1)