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有馬記念が終わってもJRAのGⅠはまだ残っている。2歳王者決定戦のホープフルSが28日、中山競馬場で行われる。連勝中のセンチュリボンド(栗・庄野、牡)が、暮れのグランプリをドウデュースで制した武豊騎手(54)=栗=を背に頂点を狙う。
黄菊賞をルメール騎手で制したセンチュリボンドは、2走ぶりに武豊騎手とタッグ再結成してGⅠに挑む。クリスマスの栗東トレセンで、蟹江助手が好気配を伝えた。
「ユタカさんは(有馬記念で)やってくれましたからね。うまく乗ってくれると思うので、すべてお任せします」
右足の負傷で10月29日からレースを離れていた鞍上は、12月16日に実戦に戻ってきた。復帰後初勝利がドウデュースによる有馬記念制覇。人馬ともに復活Vで、ファンをしびれさせた。今回も勝てば、史上初のJRA平地GⅠ完全制覇。レジェンドはまた歴史に一ページを刻むことになる。
コンビを組むセンチュリボンドは、十分にチャンスのある素質馬だ。前走の黄菊賞は10キロ増とパワーアップして出走。2番手から力強く伸びて、完勝した。庄野調教師は「展開と馬場が味方してくれたと思うけど、センスのいい走りだった。一戦ごとに成長してくれているね」と振り返る。
中間は栗東のCWコースと坂路を併用して乗り込まれてきた。蟹江助手は「馬体重は先週時点で474キロ。前回の競馬はノーダメージでしたし、体調面で特に不安はありません」と胸を張る。中山芝2000メートルは初めてで、長距離輸送や他頭数の競馬も初めてとなるが「スタートが速いし、操縦性もいい。乗りやすくて、普段から手のかからないタイプ」と問題なしを強調した。
黄菊賞からホープフルSに挑んだ馬は、21年2着ジャスティンパレスがいる。同馬はのちに天皇賞・春を制してGⅠ馬へと出世した。センチュリボンドも、レジェンドとともに明るい未来へと舞い上がる。(増本隆一朗)