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3歳馬の頂点を決める日本ダービーが29日、東京競馬場で行われる。「俺のチェックポイント」初日は、大阪サンスポの斉藤弘樹記者が栗東でジャスティンパレスに注目した。3カ月半ぶりの皐月賞は9着に敗れたが、中間は非常に意欲的な調整が目を引く。ホープフルS2着馬の巻き返しがあるか。ひと叩きの上昇度や舞台適性などを探った。
難解なレースが続く春のGⅠシリーズでなかなか波に乗れないが、競馬の祭典だけは何としても当てたい。28日にはオンラインイベントも控えているだけに、22日の日曜から気合十分に栗東トレセンで取材を開始した。その中で、ひときわ目に留まったのがジャスティンパレスだ。15、22日と2週連続で週末に坂路で4ハロン55秒を切る時計をマーク。前走の皐月賞時が同58秒台だったことを思えば、負荷のかけ方が全く違っている。
23日朝に杉山晴厩舎の池水助手を直撃した。「もう一段階上げようと意識的にやっています。もともとダービーに向けてという感じでやっていますし、現時点での力は100%出せそう」と大目標の一戦に向けて、こん身の仕上げを施している。
昨年はデビューから連勝で挑んだホープフルSで2着。まだ馬体がしっかりしていないぶん、直線でヨレる場面はあったが、GⅠレベルの力を示した。2020年の3冠牝馬デアリングタクトも担当する腕利きは「乗り味がいいし、柔らかくて軽い走りをします。体も心も子供っぽくて、まだ先のイメージですが、この感じであれだけ走れるのは逆にすごい」と潜在能力に目を細める。
3カ月半ぶりだった皐月賞は、スタートであおって後方からの競馬。勝負どころから大外を回って早めに動いたが、荒れ気味の芝もこたえて9着に敗れた。先を見据えた仕上げに加え、スムーズな競馬ができなかった印象だ。今回は初めての東京で距離も2400メートルとなるが、「不器用な感じではないので、コースはどこでもいい。引っ掛かる馬じゃないし、きょうだいも長い距離を走っているので」と同助手は距離延長にも前向きだ。
成長途上ながら素質は世代トップクラスのディープインパクト産駒。状態面、舞台は好転するだけに、枠順や良馬場など条件がかみ合えば、巻き返しのシーンもありそうだ。