競馬ニュース > 記事
当企画のコンセプトにつきましては、コチラにてご確認ください。今週も“勝ち逃げ馬券師”新良武志氏に、注目の乗り替わりをピックアップしてもらいます。
※データは2018年以降の結果をもとに集計
編集部(以下、編) 土、日、月と続く変則の3日間開催の最終日です。月曜日には、4重賞のラストを飾るフラワーCが控えています。
新良(以下、新) 波乱の多いレースですが、今年は12頭立てに落ち着きましたし、なんとかしとめたいですね。
編 よろしくお願いします。早速ですが、注目の乗り替わりを教えてください。
新 私が狙っているのは、大野拓弥騎手から菅原明良騎手に乗り替わる⑩デインティハートです。
編 菅原明騎手は若手のなかでも勢いがありますし、やってくれそうな雰囲気を持っていますよね。
新 まだまだ発展途上の段階ですが、度胸がありますし、好プレーも目立ちます。今後ますます伸びていくでしょう。それを如実に感じさせるのが、このレースの舞台となる中山芝1800mにおける騎乗ぶりの変化です。
編 それはどういうことでしょう?
新 機械的に過去データを探ると、菅原明騎手のコース成績は決して優秀とは言えません。2019年以降は勝率5.3%、単勝回収率45%にとどまっています。
編 その数字を見ると、積極的に買いたいとは思いませんよね。
新 並みの騎手か、それ以下という成績ですから。
編 でも、最近は上昇基調にあるということですね?
新 はい。直近の重賞の成績を振り返れば一目瞭然です。中山記念ではカラテで4番人気2着、中山牝馬Sではアブレイズで12番人気2着と大暴れしています。
編 言われてみれば、バリバリ結果を残していますね。
新 さすがに完全に手の内に入れているとまでは言えませんが、コース攻略のコツをつかんだことは確かでしょう。過去データにとらわれて、不安視する必要はないと思います。
編 逆に買いたくなるほどですよね。軽視するわけにはいきません。
新 今回、どのタイミングで騎乗依頼があったのかはわかりませんが、テン乗りですし、最近の好調ぶりを見て陣営が声を掛けたという公算が大きいでしょう。
編 その見解にはおおいに頷けます。私が調教師だったら、乗せたいと思いますもん(笑)。
新 ですよね(笑)。本人もかけられている期待の大きさは理解していることでしょう。
編 馬との相性はどうでしょうかね。
新 デインティハートはデビューから3戦連続して上がり最速の末脚を発揮してきた馬で、菅原明騎手は先行するよりも道中で脚を溜めて差す競馬が上手いジョッキー。合わないわけがないというのが私の見立てです。
編 なるほど。しっかりフィットしそうですね。
新 近親に昨年のスプリングSを勝ったヴィクティファルスがいるなど血統面も魅力で、能力的にもひけはとらないでしょう。
編 前走は同じコースで2着に好走していますしね。
新 勝ったシンティレーションは1、2番人気を争うほどですが、この馬は負けたことによって過剰に売れることはなさそうな状況です。タイム差なしのクビ差2着ですからね。それを考えれば、どちらがお買い得かは明白でしょう。
編 乗り方ひとつで逆転もあると。
新 あると思います。そのうえ、勝利を手にするシーンが見られるかもしれません。菅原明騎手の大胆なプレーに期待しましょう。
★その他の注目乗り替わり★
中京7R ④パラレルキャリア(石川裕紀人→福永祐一)
中京11R ②キメラヴェリテ(藤岡康太→鮫島克駿)
中山12R ⑨ヤマニンバンタジオ(吉田豊→戸崎圭太)
【プロフィール】
新良武志(しんら・たけし)
かつてはどこにでもいる競馬ファンの1人だったが、データベースソフト【TARGET】との出合いを経て、眠っていた馬券師としての素質が開花。騎手・種牡馬にウマニティU指数を組み合わせた独自のデータ活用術を考案し、常勝スタイルを確立させる。2015年秋にメディアデビュー。雑誌、WEBを中心に精力的に予想家活動を行っている。著書に『毎日コツコツ勝ち逃げリーマン馬券術』(ベストセラーズ)、『ジョッキー未来予測2019』(秀和システム)。
最新情報は『“新良式”データ馬券ブログ』で公開中。