予想されるベストの適性値は「８２０」で、瞬発戦を想定。
脚質的には差し馬が９０％優勢。

瞬発指数１位、コース適性もバッチリながら、なんやかんやとイチャモンを付けてウオッカ消し、ザレマ（４着）を本命にして、とても恥ずかしい思いをしたヴィクトリアマイル。さて、今回がまた問題だ。ヴィクトリアマイルを７馬身差で圧勝した(３)ウオッカを、今度は安田記念でどうするか。ここで(３)ウオッカに◎を打って来なかったらとても恥ずかしい。競馬をやる上で最も避けるべき「人気の後追い外し」になってしまうからだ。

だからここは(３)ウオッカの消し方から考えることになった。まず気になったのは鞍上・武豊騎手の２００９年瞬発戦成績。ヴィクトリアマイルの時はこの瞬発戦成績が散々だということを気にしてみたのだが、該当レースでは直線半ばまで待って追い出すと、あとは突き放す一方。ラップギア表記「▼７▼４△10」の瞬発戦を圧勝してみせた。…しかしそのヴィクトリアマイル以降、また武豊騎手は３週間で瞬発戦１５戦０勝だったりする。どうなのだろう？　２着が６回あるので（連対率４０％）悪くはないと考えるべき？

少なくともヴィクトリアマイルと同じようなペースになるなら、(３)ウオッカの仕掛けどころは分かっているはずだし、そうなればヴィクトリアマイルと同じ乗り方で問題ないはず。しかし、ヴィクトリアマイルと比較して、極端にペースが速くなったり遅くなったりした場合、つまり仕掛けどころが難しいレースになった場合にこそ鞍上に不安が残るのではないだろうか。

…ということで、ペースの考察に入ることになった。ここは(11)コンゴウリキシオーがいるとは言え、同馬はテンに速くない逃げ馬。スタートからの１ハロン目ではなく、二の脚を使って２ハロン目にハナに立つタイプだ。去年の安田記念なんかも、そうやってハナに立っていた。もっとも、その直後には押さえ切れないほどの手応えでウオッカが走っていたのだが。

まぁつまり、１ハロン目から速い(17)ローレルゲレイロがいるのなら、(11)コンゴウリキシオーはハナに立つのは難しいのではないかということ。完全に後手を踏むことになる(11)コンゴウリキシオーがどこまで(17)ローレルゲレイロを追いかけていくかの話だが、１ハロン目も２ハロン目も速力の違いは明らかなので、深追いはしないはず。そうなると(17)ローレルゲレイロはマイペースで行けるワケだ。

とは言え、その(17)ローレルゲレイロのマイペース、１２００ｍでは１２００ｍに合った逃げを見せるのだが、これが１４００ｍや１６００ｍになるとそこまでペースを上げない。１４００ｍでは平均、１６００ｍではやや速い程度の逃げ馬になる。ラップギア適性値「瞬４平５消１」、言い換えるとどんな競馬でもできる(17)ローレルゲレイロにとって、距離に対応したペースをつくれることは大きな武器であり、それが(17)ローレルゲレイロの強みでもある。

想定できる、１６００ｍでの(17)ローレルゲレイロの逃げは前半３ハロンで３４秒５～３５秒０。マズい、これは(３)ウオッカのペースだ。前走、ヴィクトリアマイルが前半３Ｆ３４秒７で、前年安田記念が３４秒６。それを先団で追走できるのだから、この流れを苦にして末脚を失くしてしまうことは考えづらい。瞬発戦苦手の武豊騎手でなくとも、誰が乗ってても一周回ってくれば能力を発揮できてしまうペースだ。そしてその能力は、瞬発指数が示すとおりの抜けっぷり。

(17)ローレルゲレイロが単独で、もしくは(11)コンゴウリキシオーと競り合ってハイペースになるなら、平坦適性の高い(４)ファリダットを！！…みたいなことも画策していたのだが、どうやらこれは無理。(３)ウオッカのペースになる。余裕で瞬発力を発揮される。

そして、そのペースを想定して逆に不安に見えたのは２番人気の(６)ディープスカイ。この馬がマイラー？　いやいや、そんなことはないよ。この馬がマイルを走るなら、おそらく最後方に近いところからの競馬。(６)ディープスカイが(３)ウオッカを差し切るには、その位置から（ラスト３ハロンで）(３)ウオッカより１秒近く速い上がりを使わなければならない。それが無理だと考えて早めの競馬を試みるなら、今度は瞬発力を削がれて末脚不発の危険性も出てくるポジション。(３)ウオッカ本命、(６)ディープスカイは危険な人気馬という結論になってしまった。どちらが好きかといえば(６)ディープスカイなんだけど。



※　適性値の３数字はラップタイムから考えられる適性を「瞬発、平坦、消耗戦」に分け
て数値化したもの。数の大きいものが良いわけではなく、あくまで適性のバランスのみを
表す。３数字の比率がレースの適性値に近いほど有利。能力値は、ラップタイムから考
えられる基礎能力を数値化したもの（瞬発指数）。

※適性値や「▼４▼４△７」等の意味については、単行本「ラップギア」をご覧ください。
http://item.rakuten.co.jp/book/5374176/