競馬ニュース > 記事
福島開催が終了し、関東圏の競馬は今週から新潟に舞台が移り、9月5日まで開催される。日本一の大きさを誇る新潟開幕週のメーンは、直線1000メートルのGIIIアイビスサマーダッシュ。注目は同一重賞3連覇、サマースプリントシリーズ3連覇がかかるカノヤザクラ。得意の夏競馬で存在感をアピールする。
今年も彼女の季節がやってきた。カノヤザクラがアイビスサマーダッシュ3連覇をかけ、夏の新潟に登場する。サマースプリントシリーズ3連覇の偉業もかかるだけに、ここは何としても勝たなければならない一戦でもある。
CBC賞からアイビスSDへのローテーションは、過去2年と同じ。牝馬ながら500キロを超える馬体の持ち主で、叩いて良化するタイプのカノヤにとっては、中4週という点からCBC賞は絶好のステップになる。
「同じローテーションでも、状態は去年よりもいいよ」と橋口調教師が話すように、7日の1週前追い切りでは坂路単走で4ハロン53秒2-38秒8-12秒9(1ハロン追う)をマーク。気温が上がるにつれて体調は急上昇し、毛ヅヤもピカピカで文句ない。
大型馬だけに小回りコースでのレースだと、どうしてもコーナーワークがぎこちなくなる。それだけに橋口師は「直線競馬のヨーイドンが合っているのかもしれない」と唯一の直線重賞へ力を入れる。
開幕週で絶好の馬場状態が予想されるが、直線競馬に限っては馬場の善し悪しにかかわらず、外枠が有利な傾向にある。カノヤの連覇も08年が8枠18番、09年が8枠17番とピンクの帽子で決めている。「ここ2年は外からしっかり伸びた。フットワークがいいし、行かそうと思ったら前に行ける馬。また外枠が欲しい」とトレーナーは“ラッキーピンク”を今年も願っている。望みが叶えば、勝利の確率は一段と高くなるはずだ。
同一重賞3連覇を遂げた馬は過去に3頭いるが、すべてが牡(せん)馬で、今回は牝馬史上初の快挙もかかる一戦。得意の新潟直千でカノヤザクラが三度“夏女”ぶりを発揮し、競馬史にその名を残す。(高尾幸司)