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7日、欧州重賞の格付けを管理する、欧州パターン委員会(EPC)より、2019年の重賞格付けが発表された。今年GIに昇格したのは、凱旋門賞ウイークエンド初日に開催される3歳以上牝馬限定戦の長距離レース、ロワイヤリュー賞(10月5日、パリロンシャン)で、距離が従来の2500メートルから2800メートルに変更となり、フランス競馬における28個目の平地GI競走が誕生した。
一方、イタリア競馬における唯一のGIとなっていたリディアテシオ賞がGIIに格下げされることが決定。イタリアの競馬は不適切な財政管理や国内経済の落ち込みから、深刻な財政危機に陥り、近年はレース賞金、従業員の給与の未払いや遅延が常態化。06年までは9つのGIが存在したが、07年に伊オークス、09年に伊ダービーがそれぞれGIIに降格となり、以降も次々とレース格を失っていた。デットーリやデムーロ兄弟を生んだ伝統の競馬国だけに、未来の復活を願いたいが、再建には長い時間がかかりそうだ。
その他の変更としては仏GIジャンプラ賞(7月7日、ドーヴィル)が1600メートルから1400メートルに短縮。また今年のレース内容次第で来年格下げのリスクがある競走として、独ダービー、オイロパ賞という2つのドイツGIを含む24レースが指摘されている。 (在仏競馬記者)