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昨年の高松宮記念、スプリンターズSの勝ち馬ローレルゲレイロがドバイ遠征のため不在。スプリンターズSでハナ差の2着だったビービーガルダンに大きなチャンスが巡ってきた。昨年の高松宮記念は外枠と初の左回りが影響して16着に惨敗したが、左回りが鬼門と決めつけるのは早計。先行抜け出しの必勝パターンでGI制覇に挑む。
小雨が舞う全休日明けの火曜日、ビービーガルダンはキャンターでB(ダート)コースを走り抜けた。前走の阪急杯は1番人気で7着に敗れたが、レース後のダメージは少なく、漆黒の馬体にも張りが戻った。デキは間違いなく上向いている。「(阪急杯は)下見所から少し細く見えたし、結果的に中身が伴っていなかったんだろう。それに普段おとなしい馬が少しイライラしていた。今は体をふっくらと見せているし、500キロちょっとで出られると思う」と領家調教師は状態面の上積みに期待を寄せる。
今回の最大のテーマは1度しか経験していない左回りの克服だ。昨年の高松宮記念は好位を追走、3コーナー過ぎから動いて行ったが、直線で追い出すと反応が鈍く、闘争心が失せたような走りでまさかの16着。「調教でも左回りだとなかなか手前が替わらない時もあるが、昨年の高松宮記念に関しては外枠で道中から結構、脚を使っていた。左回りがダメだとは思わない。抜け出してからフッと気を抜いたり、気難しい面があるが平坦の小回りはベスト。最後までマジメに走って(左回りを)克服してほしいですね」と宇佐見調教助手。流れに乗って力を出せれば、結果は付いてくると確信している。
2年前の夏、オープン入りを果たした直後から「この馬はGIでも通用する能力がある」と素質の高さを早くから見抜いていた安藤勝騎手。昨年はカジノドライヴのドバイ遠征で武幸騎手に手綱を委ねたが、今年はお手馬ビービーとともに参戦し、自身もビリーヴ(03年)以来2度目となる高松宮記念Vを狙う。宿敵ローレルゲレイロ不在のメンバーだけに、左回りだろうが、実力的に期待は膨らむばかりだ。捲土重来。アンカツを背にしたビービーガルダンが、2度目の中京で本来の走りを見せつける。(片岡良典)