【香港７日＝川端亮平】１１日の香港カップ（ＧＩ、シャティン、芝２０００メートル）に出走するエリザベス女王杯の勝ち馬クイーンズリング（栗・吉村、牝４）が、シャティン競馬場のオールウエザー（ＡＷ）コースで追い切りを行った。馬なりで活気十分の動きを見せ、初めての海外挑戦ながら好気配を漂わせた。枠順は８日に確定する。

　石垣島よりさらに南に位置し、この時期でも最高気温が２５度前後の香港。日本馬１３頭で唯一、この日に追い切りを行ったクイーンズリングが、曇り空のもとで生温かい風を力強く切った。エリザベス女王杯でＧＩ初勝利を挙げた勢いを感じさせる動きに、吉村調教師は満足げにうなずいた。

　「５ハロン７０秒くらいの指示で、時計の誤差もなくいい感じでした。やれば時計は出るけど、そんなにレース間隔もあいていない。前走時の状態はキープできていますね」

　ＡＷコースで５ハロンからスタート。力みのないフォームでストライドを伸ばし、徐々にスピードを上げていく。コーナリングもスムーズに直線に向くと、馬なりのままもうひと伸びしてフィニッシュ。５ハロン７１秒８はほぼ予定通りで、ラスト１ハロン１１秒８をマークした。

　初めての海外への輸送を考慮して１１月２７日に国内最終追い切りを消化するなど、回復期間を十分取った。そのため、中間の追い切り本数は少ないが、仕上がりに不安はない。

　前走を勝って、追加登録料（約３６７万円）を支払っての意欲満々の挑戦だ。海外遠征ではカイバ食いが落ち、調整を加減せざるを得ない馬も出るが、充実期に入った女王は堂々と振る舞っている。トレーナーは「こっちに来ても大きな輸送減りはない。イレ込むこともなく、落ち着いていますね。環境が変化しても大丈夫。かしこい馬ですよ」と目を細める。

　さらに、「これほど日本の強い馬がいるので簡単にはいかないですけど、いい状態ならまた頑張ってくれると思います。ベストパフォーマンスを発揮できるようにしたい」と力を込めた。香港でも実績があるモーリス、エイシンヒカリを打ち破る態勢は整った。

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