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日本と欧州競馬の違いの一つに騎手の契約システムがある。先週までに紹介した昨年のリーディングでもフランスのM・バルザローナ騎手がゴドルフィン、英国のO・マーフィー騎手がカタールレーシング、アイルランドのC・キーン騎手がG・ライオンズ厩舎と優先騎乗契約を結んでいる。
フランスでは現在、バルザローナ騎手の他、C・スミヨン騎手がアガ・カーン殿下、M・ギュイヨン騎手がヴェルテメール兄弟、S・パスキエ騎手がニアルコスファミリー、C・デムーロ騎手がJ=C・ルジェ厩舎と契約。欧州の騎手は有力馬を多く所有する馬主、大厩舎と契約できるかどうかが成功への鍵になる。
契約について昨年の凱旋門賞を取り上げると、ルジェ厩舎のラービアーが前日のGIロワイヤリュー賞の予定を変更して出走。C・デムーロ騎手はラービアーを優先せざるを得ないため、フォワ賞に続いてコンビを組む予定だったディープボンドに乗れなくなった経緯がある。
契約はさまざまな形があり、アガ・カーン殿下が所有するアイルランド調教馬タルナワはスミヨン騎手とコンビを組んだが、前後の愛チャンピオンS、ブリーダーズCターフではキーン騎手が騎乗している。
ゴドルフィンの出走馬はともに英国のアダイヤーにW・ビュイック騎手、ハリケーンレーンにJ・ドイル騎手が騎乗。ゴドルフィンのフランスでの主戦、バルザローナ騎手は騎乗馬がなく、ディープボンドで参戦した。これは一例だが、どのように決まるかなど、不明なことも少なくない。次回も契約システムに触れる。 (在仏競馬記者)