伝統ある重賞ながら、たびたび開催時期やレースの条件が変更されてきた一戦。ここでは、現行の開催時期に移された2012年以降のデータを中心に傾向を探っていきたい。年齢別で見ると、【8.7.6.25】という、上々の成績を残している4～5歳馬が馬券の軸としてオススメ。一方で、6～7歳のベテラン勢も侮れない。2012年以降、馬券に絡んだ11頭中5頭が7番人気以下の人気薄。そのうち2頭は2桁人気で、高配当演出の一役を担っている。悩むようなら「4～5歳馬×重賞好走歴のある6～7歳馬」を中心に、馬券を組み立てるのが有効な手段だ。舞台となる阪神2000mは、スタート直後に上り坂があるため、あまりペースは速くならない。従って、基本的には先行有利のコースである。（各種データ、原稿は本年のレース発走前のものとなります）

【人気】
人気別成績を見ると、1番人気は上々の結果を残しているが、2012年以降は【2.4.0.5】というように、取りこぼしも目立つ。ただし、1～3番人気のトータルは【7.4.3.15】と、人気サイドが比較的強いレースであることは間違いない。一方で、7番人気以下が9頭馬券に絡んでいるように、人気薄の激走も十分に期待できる。「人気サイド×中穴」がいちばんの狙い目になると結論付けたい。

【脚質】
1着に限定して見ると、明らかに逃げ・先行優勢。2012年以降の勝ち馬11頭のうち9頭が4角5番手以内で通過していた。差して勝利した2014年のエアソミュール、2019年のメールドグラースにしても、いずれも4角7番手。ゆえに、後方一手のタイプについてはヒモまでと考えたほうがいい。一方で、相手に関しては差し優勢。2～3着の約半数が4角6番手以下に位置していた馬で占められている。メンバーの顔ぶれ次第では「逃げまたは先行→差し」で決め打つのも面白いかもしれない。

【枠順】
近年の結果だけを踏まえると、枠順については外枠有利・内枠不利になっている印象。なかでも8枠が好調で、2012年以降4勝という素晴らしいパフォーマンスを見せつけている。しかし、馬番に視点を変えると12番より外は未勝利。多頭数で行われる場合、過度の外枠依存は禁物だ。ゆえに、2012年以降は1連対止まりの1枠を若干割り引く程度で、他枠はおおむねフラットと考えるべきである。

【血統】
当レースは、立ち回りの上手さだけではなく、速い上がりも求められる。ゆえに、サンデーサイレンスの血脈が強く、2012年以降の3着以内馬33頭のうち、26頭が父もしくは母の父にサンデーサイレンス系種牡馬を持つ馬で占められている。なかでも、ディープインパクトとブラックタイドの両産駒の相性はバツグンで、毎年のように上位争いに加わっている。ほかでは、父もしくは母の父にナスルーラ系種牡馬を持つ馬の活躍も目立ち、とりわけサンデーサイレンスの血を内包した馬の好走例が多い。2013～2016年の間は4年連続で連対を果たすなど、当レースと好相性なのは確実ゆえに条件を満たす馬が出てくるようであれば、マークを怠れない。