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文句なし。へニーハウンドが抜群の走りを見せた。無敗の3歳マイル王誕生へ、万全の態勢だ。
最終調教は坂路。マコトローゼンボー(牡3未勝利)を8馬身ほど追走する形で進み、余裕の脚取りで接近していく。目一杯のアクションを必要とせずに、ラスト1ハロンを12秒1でフィニッシュ。僚馬に3馬身先着した。
「初戦よりも前走、前走よりも今回と、状態は確実に良くなっている」と甲斐調教助手。中間は調教を強化しながら体を作ってきた。望みうる最高の仕上がりで大一番へ向かう。
「ウチの厩舎ではグランプリボスと同じ評価」と矢作調教師が語る3歳の素質馬。デビュー戦が逃げ切り、前走のGIIIファルコンSが差し切りと、まったく違うパターンの競馬で連勝。無限の可能性を感じさせる雄大な栗毛の体と、レースセンスの良さが光り輝く。すでに東京コースは経験済みで、1600メートルの距離に対しては「前回の1200メートルよりは条件的にはいい。折り合いがつくから対応できる」が陣営の見立てだ。「どんな競馬でもできる馬。ワクワク、ドキドキしているし、早く競馬が見てみたい」とトレーナーは胸を躍らせる。
勝てば98年エルコンドルパサー以来となる無敗での戴冠。しかも3戦目でのVとなると史上最短キャリアでの優勝だ。矢作厩舎には本命候補のグランプリボスもいるが、上昇を告げる追い切りを見せた“ヘニー株”も「ストップ高」の勢いだ。(宇恵英志)