抜群の動きで重賞連勝をアピールだ。中山記念の追い切りが２０日、東西トレセンで行われた。中山金杯を勝ったタッチミーノットは、美浦Ｄコースで素晴らしい瞬発力を披露。充実一途を印象づけた。ＡＪＣＣの覇者ダノンバラードも栗東ＣＷコースでシャープな伸び。勢いに乗る２頭がサンスポ調教評価「Ｓ」を獲得した。

　充実一途を裏付ける迫力の走りが、晩成の血が開花したことを証明していた。７歳にして重賞ウイナーの仲間入りを果たしたタッチミーノットが、中山金杯に続く重賞連勝に向けて猛アピールを見せた。

　「今回もいい状態で出せそうですね。動きもいいし、時計も予定どおりです」

　ニコニコと満面に笑みを広げて柴崎調教師が愛馬を見つめた。美浦・ダート（Ｄ）コースで単走の追い切り。軽快なキャンターから徐々にスピードアップすると、楽な手応えで直線に向いた。ゴール前で鞍上がゴーサインを送るとフットワークに力強さが増す。６ハロン８１秒８のタイムも優秀だが、ラスト３ハロン３７秒７－１１秒９の瞬発力は見る者を圧倒した。

　「短期放牧を挟んだけど中山金杯と同じぐらい元気ですね。どこが変わったか？　乗っている者の感覚として中身が違ってきたのは確かです」

　騎乗した吉沢調教助手が充実著しいタッチミーについて話す。勝ちきれない競馬が続いたが、前走が鮮やかな完勝劇。柴崎調教師は「ずっと走ってくれそうな雰囲気はあったんだけど、体が充実してきたね。ノリ（横山典騎手）が競馬を教えてくれて、前めで競馬ができるようになったのが大きいと思う」と、遅すぎた本格化の理由を説明した。

　中山コースは４戦して【２・１・１・０】と得意。ＧＩＩＩに続くＧＩＩで連勝を狙う。ここでステップアップを果たせば、次はＧＩ制覇の夢が待ち構えている。　（柴田章利）

この記事はいかがでしたか？

 (0)