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当企画のコンセプトにつきましては、コチラにてご確認ください。今週も“勝ち逃げ馬券師”新良武志氏に、注目の乗り替わりをピックアップしてもらいます。
※データは2017年以降の結果をもとに集計
編集部(以下、編) さぁ、天皇賞(秋)です。今年も豪華メンバーが揃いました。
新良(以下、新) いちファンとしてもワクワクしますね。各世代のトップクラスの対決が見ものです。
編 今年は16頭立てということになりましたが、お手馬との継続騎乗というパターンが多いG1ということもあり、乗り替わりがあったのは4頭にとどまりました。選択肢が限られてしまいますが、新良さんの見解はいかがでしょう?
新 出馬表をパッと見ると、コンビ実績5戦5勝の川田将雅騎手に手綱が戻るポタジェに目が行くかもしれませんが、私は別の馬に注目しています。
編 そうなんですね。ポタジェの川田騎手以上に推し材料があるということだと思いますので、結論が気になります。
新 狙ってみたいのは、福永祐一騎手から岩田康誠騎手に乗り替わる⑦ワールドプレミアです。
編 福永騎手にはコントレイルがいますので、乗り替わりは仕方がないと理解しています。もちろん、岩田康騎手もいいジョッキーです。ただ、ポタジェの川田騎手以上に期待できるかどうかというと……。
新 皆さん、そう思いますよね。しかも同じ友道康夫厩舎ですから、リーディング順位的にも、川田騎手が乗るほうが勝負がかりとみるのは当然でしょう。
編 でも、あえてワールドプレミアと岩田康騎手を狙うというのは、しっかりとした理由があるわけですね?
新 はい。友道厩舎との関係性でいえば川田騎手のほうが上位ですが、馬主に視点を移すと岩田康騎手が逆転するんですよ。
編 なるほど、そういうわけなんですね。大塚亮一オーナーは岩田康騎手を重用していると?
新 そういうことです。20年以降における大塚オーナー所有馬の騎手別勝利数は、1位が吉田隼人騎手で、2位が岩田康騎手となっています。
編 関西ではエース級の扱いなんですね。
新 ここで岩田康騎手をテン乗りで配してきたということは、それだけオーナーの期待度が高いと読み取ることができます。
編 そういう背景を踏まえると、福永騎手からの乗り替わりが鞍上弱化になるわけでもなければ、川田騎手じゃないからといって陣営の勝負度合いが低いわけでもないと。
新 仰る通り、ここは本気で狙ってきていると思います。
編 岩田康騎手もその期待に応えようと、気合いが入っているかもしれないですね。
新 入っているでしょう。先週は東京で騎乗し、芝2000mでは2回乗って1着、3着と好成績を収めている点も見逃せません。
編 同じ舞台でリズム良くきていますね。
新 今の東京の馬場にフィットしていることは間違いないです。かつての輝きがなくなったとはいえ、岩田康騎手はやはりここ一番で勝負強いジョッキー。目が離せないでしょう。
編 コンビを組むワールドプレミアはどうみていますか? 距離がやや短いという印象もありますが……。
新 私は心配していません。長めの距離を中心に使われてきていますが、2000mでも力は出せると思います。
編 確かに、戦績を振り返ると3歳春までは2000m以下を使われ、オール3着以内なんですね。
新 使われてこなかっただけで、適性がないということはないでしょう。スピードだけでは乗り切れないタフなレースになりやすいので、むしろこの馬のスタミナが活きる気がします。昨年2着に好走したフィエールマンに近いイメージで、やってみたらしっかり対応できたという可能性はおおいにあるのではないかと。
編 とてもわかりやすいたとえです(笑)。戦績的にはステイヤーですが、中距離もこなせるタイプとみているわけですね。
新 3強の一角を崩す候補の一番手はこの馬でしょう。長距離実績や、休み明けのローテが嫌われて人気にならないことを祈っています。
編 あとは岩田康騎手の手腕に託すのみですね。
新 はい。しっかり馬券圏内に持ってきてほしいです。
★その他の注目乗り替わり★
東京8R ⑤カーディナル(戸崎圭太→川田将雅)
東京10R ⑦コパノマーキュリー(山田敬士→松山弘平)
阪神11R ①ファルコニア(川田将雅→岩田望来)
【プロフィール】
新良武志(しんら・たけし)
かつてはどこにでもいる競馬ファンの1人だったが、データベースソフト【TARGET】との出合いを経て、眠っていた馬券師としての素質が開花。騎手・種牡馬にウマニティU指数を組み合わせた独自のデータ活用術を考案し、常勝スタイルを確立させる。2015年秋にメディアデビュー。雑誌、WEBを中心に精力的に予想家活動を行っている。著書に『毎日コツコツ勝ち逃げリーマン馬券術』(ベストセラーズ)、『ジョッキー未来予測2019』(秀和システム)。
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