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スイートエスケープが栗東坂路単走で4ハロン55秒9、12秒4でフィニッシュ。上々の瞬発力を披露した。京都芝1200メートルの前走を2歳レコードの1分8秒3(良)で完勝。今回は1ハロンの距離延長が課題だが、「前走のような競馬ができれば」と陣営は克服可能と見る。豊かなスピードを生かし、2戦2勝の評判馬などライバルを一蹴するか!
朝一番の坂路の真ん中をスイートエスケープが駆け上がる。残り1ハロンで気合をつけられると12秒4の瞬発力を見せてフィニッシュした。
「上がり重点の予定でしたから、時計的にもちょうどいい。ここまで順調に来ました」。安田隆調教師が満足そうな表情を浮かべる。単走で前半はゆったりと入り、反応を確かめたのは最後の1ハロン。それで十分だった。
デビュー戦にダートを選択したように歩様に硬さがある。しかし、生来の資質と陣営のケアがマッチして、状態と成績は確実に上昇。4戦目の前走(京都芝1200メートル)を1分8秒3(良)の2歳コースレコードでV。「心身ともに大人びてきて、攻め馬の感触も力強くなってきたことを肌で感じますね」と師は力説。1400メートルは未経験だが、好位から鋭く伸びた快勝を振り返り、「前走のような競馬ができれば、こなせると思います」と表情に不安は感じられない。
京都の芝も味方する。レコード級の時計が続出した馬場は、先週までのAコースから、仮柵を設けたBコースに変更。荒れ始めたインが保護されて、持ち前のスピードが生かせる舞台設定だ。
「京都の芝はすごくいいコンディションで、レコード(1分20秒3)に近い時計が出るでしょう。相手は強くなりますが、こちらもパワーアップしていますし、楽しみにしています」
今季35勝を挙げて全国4位に躍進している安田隆師は、武蔵野Sにもトランセンドを送り込むなど充実のラインアップ。騎手時代に主戦を務めたトウカイテイオーが東京でお披露目される週末、安田隆師が手塩にかけて育ててきた秘蔵っ子は、京都で花開こうとしている。(黒田栄一郎)