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世界の度肝を抜いた驚異の圧勝。まるで昨秋の天皇賞を再現するかのように、ドバイの大舞台をジャスタウェイが駆け抜けた。6馬身1/4差のぶっちぎり。ゴールで誇らしげにステッキを掲げ、ニヤリと笑みを浮かべた福永祐一騎手は“世界一”の手応えをつかんでいた。
「きょうの勝ちっぷりなら、ひょっとして世界ナンバーワンのレーティングを獲得できるかもしれません。それにふさわしい勝ち方だったと思うし、今後が楽しみです」
3月上旬に発表されたワールドベストレースホースランキングで、世界3位タイの評価だったジャスタウェイ。この日の走りを見せたことで、世界ナンバーワンの評価を得る可能性は十分に出てきた。
それでも、鞍上は想定外のレースだったことを明かす。
「本当は(逃げた)トウケイヘイローの後ろくらいにつけようと思っていたんですが、ゲートを出たあとに進んで行かなくて。そうしたら目の前にスミヨンの馬(2着ウェルキンゲトリクス)がいたので、これについて行こうと」
瞬時に作戦を切り替えて、腹をくくった待機策。その先は、天皇賞と同じようなレースぶりとなった。
「4コーナーで前との差が詰まっていたし、手応えが良くて、天皇賞みたいな感じでしたね。これは勝つな、と思いました」
国内のステップレースに選んだ中山記念は騎乗停止で乗れなかったが、追い切りに騎乗して成長力を実感していた。中山記念は、見ているだけでも「思っていた通り」の強さを感じられたレース。「日本の状態を維持していれば、絶対にいい勝負になると思っていました」と自信を持って臨んだ。そして、その自信は過信でも何でもないことを証明してみせた。
プライベートでは23日に第一子となる女児が誕生してパパになったばかり。「いい報告ができます」と喜んだ。驚異のレコード勝ちは、妻子への何よりのプレゼント。香港、アメリカに続いてドバイでも大レースを制したユーイチが、“世界の福永”へと羽ばたいていく。