２歳牝馬のナンバー１決定戦、阪神ジュベナイルフィリーズ。朝日杯ＦＳに対してホープフルＳがある牡馬戦線とちがい、牝馬はこのレースが唯一無二の頂点。過去には大荒れ決着も多いレースだったが、06年の阪神改装以降は、桜花賞はもちろんオークスにまで直結するレースとなっている。

それはラップギア、コース適性値からも一目瞭然で、阪神ジュベナイルフィリーズと桜花賞が行われる阪神芝１６００ｍは「瞬８平２消０」であり、オークスが行われる東京芝２４００ｍも「瞬８平２消０」。求められる適性が同じだからだ。

ちなみに２００５年以前、改装前の阪神芝１６００ｍは「瞬３平６消１」のコース適性値だった。「瞬３平６消１」の桜花賞を勝ってきた馬が「瞬８平２消０」のオークスで人気になる辺りに面白味を感じていたのだが。

今年は２勝馬が１４頭出走、しかし無敗の“２戦２勝馬”は(９)アットザシーサイド１頭だけであり、見方によってはかなりの混戦。それぞれの馬がそれぞれにアピールポイントを持ち、それでいて突き抜けてはいないというメンバー構成か。１番人気想定の(２)メジャーエンブレムにしても、トップグループの１頭ではあっても、突出した馬だとまでは思えない。２勝馬が１４頭もいるように、けっこう粒はそろっているのだ。

話を戻して、同コース施行の阪神ＪＦ、チューリップ賞、桜花賞を比べてみると、若干違うところはある。大まかに、
阪神ＪＦ　　　　→平均ペース　からの瞬発力勝負
チューリップ賞　→スローペースからの瞬発力勝負
桜花賞　　　　　→ハイペース　からの瞬発力勝負
といった感じ。ただし阪神ＪＦの「平均ペース」は、桜花賞を基準としての話。２歳牝馬としてはかなりのハイペースであり、その平均ペースは同コース古馬１０００万下（の平均）を大きく上回る。ちなみにこの時期の２歳馬は、能力的にはまだ「古馬１０００万下」に及ばないはずなのに。

すなわち、ここは純粋な瞬発力勝負とはならないレース。ラップギア的に言うと、「瞬２平０消０」のような瞬発特化型よりも「瞬２平１消０」のように平坦適性もあわせ持つような馬の方が良いということだ。

そういった観点から、「瞬３平０消０」である(２)メジャーエンブレムに「死角なし」と飛びつくことは出来ず、「瞬２平０消０」の(17)デンコウアンジュにしても同様。それら以上の器と期待していた(12)ウインミレーユは中間一頓挫あったらしく、単勝５０倍を超える（目を疑うような）人気薄。むかしの自分なら「これはオイシイ」と飛びついていたのだろうが、ここはあからさまにデキが良くないのだろう。

加えて、２番人気想定の(11)ブランボヌールと３番人気想定の(９)アットザシーサイドは「瞬０平２消０」のラップギア適性値。純粋な瞬発力勝負にはならないレースとはいえ、さすがに瞬発０では手が出せない。

これで１番人気～４番人気まで、全部ケチが付いてしまった。それなら５番人気想定「瞬２平１消０」でラップギア的条件を満たしている(15)キャンディバローズか？　いやいや、それを狙うなら(７)クロコスミアでしょ。

ラップギア適性値は「瞬１平１消０」。たとえばアルテミスＳは(２)メジャーエンブレムと、それを下した(17)デンコウアンジュに目が行きがちなのだが、(７)クロコスミアはその両頭から少し離れた３着に来ていた。スローからの瞬発力勝負になったアルテミスＳでは「瞬２平０消０」の(17)デンコウアンジュと「瞬３平０消０」の(２)メジャーエンブレムに瞬発力で見劣ったのだが、それよりも速いペースで推移するレースなら、逆転の目は十分にあると思われる。



※印や金額は発走の約１時間前に確定。それまでは変更の可能性があります。