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コースを熟知して、的中馬券ゲットだ! 今週末は仏GI・凱旋門賞(芝2400メートル)が7日、パリロンシャン競馬場で行われる。リニューアルの目玉となるのが、最後の直線でコースの内側に進路ができる「オープンストレッチ」。以前は内枠有利が定説だったが、果たしてどう変わるのか? 馬券的中のヒントがここにある。 (取材構成・沢田康文)
2016、17年の凱旋門賞はシャンティイ競馬場での代替開催だったが、2年間の大規模改修工事が終了し、今年の4月8日にパリロンシャンが再開。国内で馬券購入ができるようになって、初めて“新装ロンシャン”での開催となる。
小回りと広いコースでは狙い馬が違うように、コースの特性を知ることは的中馬券への近道。そこで、新しくなったパリロンシャン競馬場の特徴をつかんでおこう。
コースのレイアウトは旧ロンシャン時代と変わらないが、最大の変更点は、最後の直線で内にスペースが生まれる「オープンストレッチ」と呼ばれる新型仮柵が設置されたこと。ゴールから残り約450メートルの地点で、インコースに幅6メートル分の進路ができたため、レース展開が大きく変化した。
従来、先行馬や差し馬は進路を確保するため、最後の直線で外に出していた。だが、オープンストレッチの登場で、逃げ馬の内にも切り込めるようになった。これにより、追い込み馬も大外へ持ち出すロスが減るなど、出走各馬の進路取りがスムーズに。脚質によらず、よりフェアなレースが繰り広げられるようになった。
枠順の有利・不利をなくすのも、新型仮柵を導入した大きな目的のひとつ。凱旋門賞はスタート直後からポジション争いが激しく、馬群も密集しやすい。そのため、外枠の馬は内に入ることが難しく、距離ロスが生じやすかった。実際、ロンシャン競馬場で行われた過去10年(06~15年)の枠順別成績は、内枠が【88676】と圧倒=表。内枠有利が定説で、2着に惜敗した12年オルフェーヴルも(18)番の大外だった。一団で進んでいた馬群が、直線でバラけるようになれば、枠の不公平さも解消される。
ただ、追い込み馬や外枠の馬が有利になったかというと、「YES」とは言えない。確かに直線でさばきやすくはなったが、インで包まれて終わる馬が激減。むしろ、距離ロスなく運べるインの馬は、直線でさらに馬場コンディションのいい内側にコースが空くので、かなり恩恵がある。
また、凱旋門賞の前日は、内ラチから16メートル外(オープンストレッチは22メートル外)に仮柵が設置されるが、当日(7日)は仮柵がなくなる(オープンストレッチは6メートル外に設置)。例年通り、内ラチから16メートルという広いグリーンベルトが出現し、多くの馬がインに進路を取りそうだ。
オープンストレッチ導入後も、内めを通るメリットは大きいと思われる。予想においても、“先行馬&内枠”のアドバンテージを意識しておきたい。
◎…オープンストレッチについては、現地のジョッキーの間でも評価が分かれている。スミヨン騎手、ペリエ騎手の両巨塔は、「戦略性が失われる」などと疑問の声を上げる。一方、ビュイック騎手、メンディザバル騎手は、主催者の説明通り「進路が見つかりやすくなりフェアになる」と好意的に受け止めている。
◎…オープンストレッチは、イギリスや南アフリカの一部競馬場でも導入ずみ。フランスではパリロンシャンが初の試みで、その後、仏国内でクラオン競馬場、ラテスト・ド・ビュック競馬場などで導入されている。将来的には、サンクルー競馬場などでも検討されている。